老舗豆腐メーカー・染野屋が販売する、植物性100%でヴィーガン・ベジタリアン食対応の大豆ミートブランド「ソミート」が好調だ。

「ソミート」の2020年の売上高は、前年比385.4%増と大きく伸長した。好調な「ソミート」から、2021年2月には、ひき肉と同じように使えるスペックの「プラントベースミンチ」、4月には「キーマカレー」を新発売し、バラエティの拡充を図った。

染野屋の重要な販路のひとつである移動販売のメインユーザーは60~70代女性層だが、2020年から「ソミート」を目的に、若い女性層が移動販売先に訪れるようになったという。同社の小野篤人社長は、「コロナ禍において健康を意識する人が増えたこと、ステイホームによる運動不足から、カロリーが低い肉として支持されたのではないか」と好調要因を分析する。
染野屋・小野篤人社長

染野屋・小野篤人社長

また、「(新型コロナという)世界的なパンデミックを目の当たりにし、グローバルに物事が捉えられ、食肉が環境負荷の要因とされていることが、人々に理解されやすい環境になったのではないか。これらのことをメディアで取り上げられる機会が増えたことも、大豆ミートの加速要因だと考えられる」とし、環境負荷低減に繋がるという植物性食の意義の認識が広がってきたとの見方を示す。
 
〈 新商品ミンチタイプは外食からも引き合い、キーマカレーも投入〉
2021年2月、社内で新たに「ソミート事業部」を立ち上げた。これまでの販路は、移動販売とアマゾンだったが、自社サイトをデビューさせたほか、ECサイト「楽天」、「Yahoo!ショップ」にも出店し、勢いをつけている。
 
新商品「プラントベースミンチ」は、水戻しなど下処理不用の生タイプのミンチ状代替肉だ。ひき肉と同じように使える設計で、汎用性が高いため多くの人が植物性食に参加できる期待がある。
 
販売状況は想定通り好調だとし、「これまではヴィーガン・ベジタリアンがメインユーザーだったが、ミンチはその枠を超えている」と手応えを語る。同商品はコンシューマー向けの200gに加え、1kg業務用もそろえ、自由に味付け出来るため、外食などでも引き合いが強いという。
 
商品化に当たっては、ダニスコジャパンとの取り組みや、数種類の大豆ミートを使用したほか、創業文久2年の豆腐製造で培った豆腐の食感追求の強みを活かし、「バランスの良い食感のミンチが完成した」と話す。ベースとなるミンチが完成したことで、現在は餃子、ハンバーグを開発中で、今年度中に発売予定としている。
 
「キーマカレー」は、化学調味料・着色料・保存料は不使用で、厳選した香辛料を絶妙なバランスで配合し、数種の野菜・フルーツをじっくり煮込んだ、まろやかなうま味と甘みを感じる本格的なベジタブルカレーに仕上げた。「ヴィーガン対応メニューは、味が薄いなど好みに合わず困っている人もいる。当社の商品は、植物性のだしなどを生かし、パンチのある味わいに仕上げている。普段の食事と変わらず、『我慢』せずに食べてもらえる」と自信を見せる。
 
移動販売を中心に販売は好調で、リピート率が高いほか、子ども受けも良い商品だとする。「パッケージには、環境負荷の少ない食品であることを説明しており、加えて一般的なカレーよりもカロリーが低く、植物性たん白質も摂れることから罪悪感なく食べてもらえる」と話す。今後については、今年度中に15品目の発売を目標としている。「植物性食の時代がきている。バラエティと販路を拡大していく」と意気込む。
 
〈大豆油糧日報2021年6月4日付〉