2020年は、コロナ禍の影響で内食率が増加する中、家庭用ごま油市場は飛躍の年となった。業務用は、外食向けが大きく減少した。足元の4〜5月の状況は、2020年の裏年で、家庭用は特需反動で減少、業務用は増加した。家庭用の減少は一時的なもので、特にごま油は今後も底堅い伸長が見込まれる。

日清オイリオグループ調べによると、2020年度(2020年4月〜2021年3月)の家庭用食用油の市場規模(金額ベース)は、8.0%増の1,667億8,500万円となった。油種別で見ると、ごま油は24.2%増の368億円と大きく伸長した。

コロナ下で内食率が高まった中、2020年の4〜6月は38.8%増加し、7月以降も高い水準で推移した。 

家庭用ごま油市場は、近年、ヘルシーオイルとしての側面に加えて、風味油として人気が高まり、堅調に推移してきた。2020年度はこれに巣ごもり需要が加わり、飛躍の年となった。足元ではその反動減が見られるが最小限にとどめており、今後も底堅い成長が見込める。

ごま油の注目の新製品は、かどや製油が2021年春に発売した、ごま油業界初の特定保健用食品(トクホ)商品「健やかごま油」だ。毎日大さじ1杯(14g)を摂取する習慣を通じて「血清LDLコレステロールを減らすのを助ける」商品。ごま油100%の純正ごま油で、関与成分セサミンとセサモリンの含有量を規格化することに成功した。 

〈関連記事〉ごま油業界初のトクホ「健やかごま油」発売、初年度売上目標8億円/かどや製油

純正ごま油を主力とするメーカーからは、「業界トップが機能性成分のエビデンスを示してくれた」と歓迎の声も。ごま油全体のさらなる活性化を期待したい。

今後注視されるのは、調合ごま油の価格改定への動きだ。原料高騰などを背景に、大豆油や菜種油の価格が上昇する中、これらをブレンドする調合ごま油において、値上げの動きが出るのは必至だ。

九鬼産業は食品産業新聞社の取材に対し、こめ油の価格も上昇していることから、「大豆油、こめ油を使った業務用調合ごま油・ラー油製品について、9月1日から価格改定を行う方向で動いている」と明かした。

〈大豆油糧日報2021年7月7日付〉