ハナマルキ「無添加減塩 追いこうじみそ 650G」発表、70年前の技術“追いこうじ製法”で、みそのうま味と米麹の甘みが同居

ハナマルキ「無添加減塩 追いこうじみそ 650G」「香り楽しむおみそ汁 なごみ柚子5食」
ハナマルキは7月12日、グランドハイアット東京で、新製品発表会を開き、同社の70年前の技術、伝統の「追いこうじ製法」を現代の技術で復活させ作った新ブランド「無添加減塩 追いこうじみそ 650G」を9月1日から発売すると発表した。発表会には花岡俊夫社長も登壇して、同ブランドの説明を行った。

「追いこうじ製法」は、熟成させたみそに「こうじ」を追加で配合し、再び熟成させる製法だ。二度の熟成による深いうま味や、コメ由来のまろやかな甘みを有する複雑な味わい、そして華やかでフルーティーな芳醇な香りが特長となっている。「こうじ」はハナマルキ標準比の2倍配合しており、20%減塩でもしっかりとしたみその味わいと香りを感じられる商品だとする。

新商品の概要を説明した広報宣伝室の杉山麻衣子氏によれば、「生産は、製造期間が標準商品より長いことから、年間で360tを計画しており、需要が高まれば、その都度、増産していく。」考えだ。

開発の背景については、「今、発酵食品に注目が集まっており、無添加、減塩の商品が伸びていることから、次の新製品もこうしたトレンドに沿った商品を開発することを考えていた。ただ、減塩みそに対してはネガティブな消費者の反応もあることから、『減塩でもおいしい』を突き詰めてたどり着いたのが、『追いこうじ製法』だった。この製法により作り出されるみそへの思いは、昔も今も、他社にはない商品を開発したいというハナマルキの職人たちの思いがベースとなっている」とした。

〈みその発酵のうま味と米麹の甘みが同居しているような素晴らしい商品に〉
花岡社長は「無添加減塩 追いこうじみそ 650G」について、「『追いこうじ製法』は、戦後の食糧難がだんだん解消してきた時に、新たな商品開発のため生み出された技術だった。信州みそは塩辛いという意見が多い中で、甘みのあるみそを開発しようと考えたようだ。典型的な信州みそは大豆10に対してコメが6とか7だが、差別化を図ろうと、弊社のこうじみその麹は標準の倍だった。発酵したてのみそをタンクから出して、そこに新たに麹を加えて、再仕込みをする。非常に手の込んだことをやっていたと聞いている。大量生産の時代に、生産効率の悪いこうじみそは時代にそぐわなかったこともあり、50年程前に一度その方法を廃止した経緯がある。しかし、こうじみそを求める声は根強かったこともあり、今回再登場させることとなった。ところが、現在は、ハサップやFSSC22000など食品の高度な管理技術の中で、製品化するのは大変だった。その甲斐あって、みその発酵のうま味と米麹の甘みが同居しているような素晴らしい製品に仕上がった」と述べた。

プロモーションでは、10月放送開始予定のテレビCMのほか、サンプリングやレシピ提案を中心とした施策を展開していく。レシピ動画サービス「クラシル」と共同で「追いこうじみそ」を使用したおみそ汁レシピを開発し、「クラシル」のウェブ・アプリ上でレシピ動画を配信する。また、「クラシル」のユーザー1,000人を対象にサンプリングを実施する。また「どこでも追いこうじ WEB AR」を9月に開始する予定。さまざまなシーンや暮らしに溶け込む「追いこうじみそ」のデザインをWEB ARを通して体験してもらう考えだ。このほか、新製品では、「香り楽しむおみそ汁」シリーズに「なごみ柚子」が新フレーバーとして加わる。香り高い国産柚子を採用。“ホッとリラックスする時間”を提供する意向だ。

◆レシピ動画サイト「クラシル」

〈大豆油糧日報2021年7月15日付〉