「まるでマグロ」「まるでイカ」「まるでサーモン」“グリーンサーフ”ブランドで展開、代替ウナギや代替マサゴも/あづまフーズ

あづまフーズ「まるでサーモン」「まるでイカ」「まるでマグロ」
あづまフーズ(三重県三重郡)は次世代シーフードとして「グリーンサーフ」ブランドを立ち上げ、こんにゃく芋由来の代替刺身「まるでマグロ」「まるでイカ」「まるでサーモン」を開発し、7月から自社通販サイトでの販売を開始した。

今後、水産代替品は「グリーンサーフ」ブランドで展開していくという。現在は、おからと豆腐を原料に使い、ふわふわの食感を再現した代替ウナギや、新技術を駆使した新しい代替マサゴの改良に取り組んでおり、いずれも2021年中の発売を目指している。

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あづまフーズでは、キクラゲを原料とした代替マサゴを開発していたが、本物に限りなく近いものを使いたいとの考えから、金沢市内の企業が有していた技術を購入し、それをベースに改良に取り組んでいる。主原料は昆布やワカメなどの海藻がベースとなっており、代替マサゴと比較しても、「より粒状になり、プチプチの食感にできる」という。量産化に向けて、機械メーカーと調整しており、2021年中の販売を目指している。

また、同じ企業から代替ウナギの提案も受けたという。ウナギはシラスウナギの不漁により、価格が高騰している。数年前から、すり身メーカーがすり身を使った蒲焼き風商品を開発している動きもあるというが、困るのは黒くて薄い皮の部分だという。海苔が使われるケースが多いというが、水分を含むと、べちゃべちゃになってしまい、ほどけやすく、皮っぽい食感が出せないことが課題だったとしている。

〈大豆ミートの輸出で海外にコネクションあり、現地情報を水産代替品にも応用〉
あづまフーズが開発中の代替ウナギの最大の特長は、皮の部分が本物のような見た目で、なおかつ食感もしっかりしていることだ。冷解凍しても問題ないという。海藻由来の原料を使用しており、海苔のようにふやけることもなく、「見た目と食感のリアリティを追求できた」と強調する。身の部分にくっつける技術は同社が研究し、はがれないように処理を施している。身の部分はプラントベースで、主におからと少し水抜きした豆腐を使っている。「温めるとふわふわになり、ウナギに限りなく近い食感になる」としている。

あづまフーズ 代替ウナギ

あづまフーズ 代替ウナギ

 
身の部分の密度が高いとバサバサして固くなってしまう傾向があるというが、おからを混ぜることによって、原料の間に隙間が生まれ、結果的にふわふわした食感にできるとしている。代替ウナギは、社外でのサンプリングや社内での試食を重ね、さらにリアルな食感を追求するため、大豆たん白を加えるなど、試作を続けている。
 
「現状は、おからや豆腐が主な原料だが、最終的に商品になるまでの間に、大豆やこんにゃくのパウダーを入れた方がいいかなども検討し、細かな分量の調整をこれから検証していく」と説明する。
 
今後の商品展開については、「たこわさのパイオニアだけでなく、水産代替品のパイオニアとなり、ゆくゆくは事業の柱にしたい。当社で生み出す代替マサゴや代替ウナギはもちろん、ヴィーガン仕様のイクラ風のビーズもつくることができるので順次発表していく」と意気込む。
 
また、あづまフーズは大豆ミートについても、日本におけるブームに先駆けて取り組んできた背景があり、そこから水産代替品を手掛けることにたどり着いたという。「国内で大豆ミートの市場は拡大しつつあるが、日本発で海外に本格的に輸出している大豆ミートはほとんどない。当社が国外に対する大豆ミートの販売量の2020年実績は、北米だけで年間5トン規模だ。現地企業から依頼を受け、プライベートブランド対応で販売している。海外のコネクションがあり、米国人の好む味など、現地からフィードバックされる情報も入ってくる。それらを大豆ミートの販売はもちろん、水産代替品にも応用できればと思っている」と、相乗効果を狙っている。
 
〈大豆油糧日報2021年7月21日付〉