2023年4月1日から、新しい遺伝子組み換え表示制度が施行され、遺伝子組み換え不使用表示(Non-GMO)が厳格化される。大豆加工品メーカーの中には、改正に先行し、遺伝子組み換え不使用表示にかわる表示として、「分別生産流通管理済み」といった文言に切り替えるなど、すでに対応をとっている事業者もいる。

現行基準は、原料を分別生産流通管理し、意図せざる遺伝子組み換え農産物混入が5%以下であれば、遺伝子組み換え不使用表示が許容されているが、改正後は、遺伝子組み換えの混入がない場合のみ、認められることとなる。

遺伝子組み換え不使用表示を行い、公定検査法を用いた行政の科学的検証により、遺伝子組み換え農産物が原料に含まれていることが確認された場合、不適正表示となってしまう。なお、公定検査法はすでに一部の業界団体に概要が知らされているが、消費者庁は2021年9月頃にその詳細を公表する予定としている。

これを受け、食品産業新聞社では、主要大豆加工品メーカーに、表示制度改正に向けた該当表示の対応状況や方針をヒアリングした。

さとの雪食品は、遺伝子組み換えでない(Non-GMO)表示は行わず、原産地を表示したパッケージ(「大豆(アメリカ又はカナダ)」「大豆(国産)」など)に順次切り替えているという。同社では、「輸入大豆を扱っている以上、(Non-GMO表示の条件となる)遺伝子組み換えの混入0%は不可能だと考えている」との見解を示している。

タカノフーズは、豆腐、納豆製品ともに、「分別生産流通管理済み」の文言に切り替え、順次パッケージを切り替えているという。

ミツカンは、納豆製品において、適切に分別生産流通管理がされている旨を表示する方針だ。同社では、「当社は原料大豆の分別生産流通管理を適切に行っており、新制度に則りこのような表記とさせて頂く予定」とする。

〈公定検査法公表後に検討するとの方針も、行政の消費者への啓発活動求められる〉
ヤマダフーズの山田伸祐社長は、7月9日にオンライン開催されたアメリカ大豆輸出協会の「納豆業界ミーティング」に出席し、生産者サイドから表示制度改正について問われ、「当社では、いくつかの商品ですでに、生産・流通の過程で原料大豆の分別管理が出来ている旨の表示に変えている」と述べた。

一方、太子食品工業は、豆腐、納豆製品に関して、2021年9月に公定検査法の詳細が発表された後、表示方法の検討を行う予定だとしている。

なお、「分別生産流通管理」などの文言に関しては、消費者から問い合わせも寄せられているようで、改正までの2年弱、行政サイドには消費者への啓発活動が求められよう。

また、大豆流通関係者からは、「万一混入があった場合は死活問題であり、それであれば遺伝子組み換え不使用表示は行わない方が良いのではないか」といった声や、「国産大豆であってもコンタミ(不純物の混入)の可能性はあり、国産大豆、輸入大豆を併用している事業者は、遺伝子組み換え不使用表示は困難ではないか」といった見解が聞かれる。加えて「大豆業界として統一した表示が求められるのではないか」との声もあがっている。

〈大豆油糧日報2021年7月26日付〉