石黒氏は、健康的な日本食の健康有益性を検証した研究の中から、現代型よりも1975年型の日本食の優位性を明らかにしたヒト介入試験(東北大学大学院)を取り上げた。その上で、和食に欠かせない凍り豆腐(こうや豆腐)の栄養成分の特徴と、健康機能性についての研究成果を紹介した。
石黒氏によると、凍り豆腐には、消化されにくいたん白質「レジスタントプロテイン」の働きにより、コレステロール調節・食後中性脂肪の上昇抑制作などがあることがわかっているという。
凍り豆腐が大豆、豆乳などに比べてレジスタンスプロテインを多く含む要因として、1カ月を要する凍り豆腐の製造工程にあるとした。「原料豆腐製造時の強いプレス、緩慢凍結による大きな氷結晶の形成、低温熟成による氷結晶の成長という工程で、大豆たん白質が強く結合し、レジスタントプロテインが新たに形成される」とした。
最近の研究については、メタボ対策からフレイル対策、免疫・腸内細菌の研究へシフトしているとし、「これらの研究は発展途上であり、研究をしっかり続けたい」と意気込んだ。
講演会のほか、協賛メーカーによるプレゼンテーションが行われ、旭松食品、伊那食品工業、林兼産業、フジッコ、ホシザキ阪神が一押し製品をアピールし、展示紹介も行った。
〈大豆油糧日報2021年11月16日付〉
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