繊維・化成品の専門商社の蝶理(大阪市中央区)は、ロシア産の組織状大豆たん白を使用したヴィーガン規格の代替肉ブランド「Greenwise(グリーンワイズ)」を展開している。

そのうち、業務用に冷凍で販売しているチャーシューとバンバンジーは、大豆ミート「ソイマイスター」を製造販売するあづまフーズ(三重県三重郡)にOEMを委託している。2社に開発経緯と今後の販売見通しについて聞いた。

蝶理によると、一般的な粒状大豆たん白や、チップス状の大豆たん白は、組織がスポンジ状になっているというが、同社が輸入する組織状大豆たん白は、繊維状になっているのが特徴だという。「組織状大豆たん白を原料として乾燥タイプで販売しているのは、当社のものしか確認できていない」と強調する。「粒状大豆たん白を使い、ハンバーグのパティや挽き肉状の商品が多く販売される中で、より肉感があるものが求められているというニーズをつかんでいる。

粒状たん白では出し切れない特性を出せると考えている」と訴求する。また、ロシア産の大豆を原料としていることについて、「ロシアはGMO(遺伝子組み換え作物)の栽培、流通が禁止されている。かなり広い範囲でNon-GMOが確保されており、今後は大きな差別化になると考えている」と利点を挙げる。

OEM先にあづまフーズを選んだのは、2020年に展示会でブースを訪問したことがきっかけだという。「大豆ミートを試食したところ、非常にレベルが高かった。粒状大豆たん白を使ったものだったが、食感や大豆臭のなさは他社よりも抜きん出ていた。当社の方で、こういう素材があると開発を依頼した。ヴィーガン対応では一部変更してもらったが、基本的には1つ目の試作品から高いレベルだった」と振り返る。

〈歯応え残してやわらかい食感に苦労、ヴィーガン規格は5~10年先見たマーケティング〉
あづまフーズの開発担当者は、「組織状大豆たん白のサンプルをもらい、チャーシュー風でという依頼を受けた。かなり肉厚だったので、いかに歯応えを残して、やわらかい食感にするかに苦労した。ジューシー感を出すために、油の添加量も考えて試作した」と説明する。

蝶理側は、試作された3~4種類のうち、特においしかったというチャーシューとバンバンジーをピックアップした。「チャーシューは最初から評判は良かった。いくつか商談しており、かなり油がしっかり利いた味になっているので、中華系への商談を加速させている。バンバンジーは解凍してそのまま食べてもらえる。カフェでサラダやパンにはさんでメニュー化できないか紹介を進めている」という。
蝶理「Greenwise(グリーンワイズ)」バンバンジー盛り付けイメージ

蝶理「Greenwise(グリーンワイズ)」バンバンジー盛り付けイメージ

ヴィーガン規格にした理由について、「日本のヴィーガン比率は今後10~20%になることは考えられないが、動物性たん白質を取らない若年層の割合が増えている。5~10年後に広義のベジタリアンが6~7%になってくると大きなマーケットになっていく。その時に完全ヴィーガン対応のブランドを立ち上げてマーケティングを始めても、先行者利益が得られない。

現在はニッチなマーケットだが、5~10年先を見てマーケティングを行っている」と見通す。「グリーンワイズ」ブランドは唐揚げを販売しており、焼肉はコンセプトを変えるため再調整中だという。2021年12月20日から2022年1月20日までは、「Makuake(マクアケ)」で常温の「プラントフードジャーキー」を販売した。

今後の展開について蝶理は、「無理に数量は追わず、新しい食文化が定着する一角を担えればと考えている。おいしさと価格の2要素を消費者に合うような形にしていくのが当社の務めだ。原料販売はするが、消費者向けとしてジャーキー類の展開、業務用はバンバンジーなど冷凍食品の展開を2軸にして、『グリーンワイズ』ブランドで、ニッチの世界でブランドの認知度を上げて、ファンを作っていきたい」とする。

あづまフーズは、「食べものが長く続く条件はおいしいかどうかだ。高くてもおいしいものであれば食べたいという欲求が出るが、まずいものはタダでもいらない。今後は競争がもっと出てきて、その需要とともに価格もある程度下がっていくだろう。その中で、どれだけおいしいものが作れるかが課題だ」としている。

〈大豆油糧日報2022年1月24日付〉