業績を伸ばし続けているひかり味噌は内食回帰、巣ごもり需要を追い風に、多品種少量生産を主眼に置いた新工場を2月から稼働させ、更に付加価値型みその増産に力を注ぐ。

現工場(飯島グリーン工場)に隣接した敷地面積3万7,240平方メートル、建設面積2万5,000平方メートルに、総工費23億円を投じた新工場だ。年間2万tの生産能力を備えており、フル稼働させていくと、「市場シェア15%から17%が見えてくるのではないか」と林善博社長も期待を寄せる。また、続々と値上げを発表する食品業界にあって、みその値上げの可能性はないのか、今後の展開と合わせて林社長に尋ね、春夏の新商品については林恭子取締役に聞いた。
ひかり味噌・林善博社長と林恭子取締役

ひかり味噌・林善博社長と林恭子取締役

──1月26日竣工を迎える新工場について
 
最新鋭の機械を使用しており、省力化、省エネを意識した工場となっている。冷却装置は外気を取り入れながら、工場内の温度管理を行う。特に冬場は、外気を有効活用することで、省エネ化を図っている。
 
生産過程では、仕込み工程まで全部完了しても、最終的に6人から8人と、これまでの約半分でみそを生産していけるような省人力化を図っていく。
 
操業は2月早々になる。出荷ベースで寄与するのは3月末からとなり、当社で言えば半年分。2,500tから3,000tの生産を見込んでいる。
 
オートメーション化という意味では、7月末に完成予定の熟成庫が挙げられる。もともとひかり味噌の発酵、熟成は、2tのステンレスタンクを使っている。そのタンクにはQRコードを張り付けており、製造工程の川上から川下までを把握することができる。新しい熟成庫ではこのQRコードを使って、自動で入出庫ができるようなシステムを開発中だ。これによってかなりの省人力化が図れるようになる。
 
〈新工場では無添加みそ、有機みそ、国産原料のみのみその3つの柱を育成していく〉
──新工場で製造する商品について

 
「円熟」を主体とした無添加みそ、国内外に向けた全ての有機みそ、国産原料だけで作ったみそといった品質重視の3つの柱を育成していくために新工場を稼働させていく。多品種を少量生産していくことが可能となり、SDGsの観点から環境へも配慮した設計となっている。
 
──原料や資材包材に加え、物流費の高騰を受け、みその値上げについてはどうか
 
一部の加工食品については価格改定を予定している。それ以外は値締で対応する。同じように業務用、加工用のユーザーに対しても交渉中だ。
 
海外については値上げが順調に進んでいる。小売も業務用も7割がた完了している。海外ではみそに対しての需要が旺盛であることと、米国の食品流通は完全にインフレ構造になっている。値上げを問屋にお願いすると、オッケーが出る。小売業も自分のマージンを圧縮したくないので、同じ率を維持して店頭価格を上げる。需要が旺盛なので、販売数量は減らない。米国、ヨーロッパでは上手く回っている。日本の小売価格に対して2.5倍だが、それでもみそに関しては販売が伸びている。
 
われわれは利益を追求していくことを社内でもはっきりさせているので、最終的には利益額だと思っている。今までの行き過ぎた特売をかなり強烈に是正している。売上金額よりは利益率を追いかける方向性に完全に転換している。
 
──近々の業績推移について
 

10月~11月の業績では、金額ベースで前年比5%増、出荷量では2%増となっている。輸出は良かったが、コンテナが確保できなかった。しばらくはこの状態は続くだろう。現在は、先行きが分からない状態だ。
 
──オミクロン株が与える業績への影響について
 
内食回帰、巣ごもり需要は当分続くだろう。需要の変化というよりは、川上の仕入れ関係やエネルギーが心配だ。あるいは円安が進行して原料のコストが上がるのかどうかが見えてこない。こうした状況が今年も来年も続くと見ており、国内海外とも価格転嫁できるような商品設計、つまり価値を売る方向に相当しっかり追いかけていかないと将来的に厳しいと感じている。
 
──春夏の新商品について
 
「味噌屋のマスターブレンド」シリーズから「つける味噌麻辣」と「つける味噌 梅」をリリースする。もともとこのブランドは、みそをみそ汁以外で幅広く楽しんでいただきたいというコンセプトで始まった。新しい素材や料理との組み合わせを提案しているが、第3弾として、「つける味噌」をテーマに商品開発した。薬味やディップソースとして使っていただけるほか、うどんのスープに入れて味の変化を楽しんでいただけるような商品となっている。

ひかり味噌「つける味噌 あじわい梅」

ひかり味噌「つける味噌 あじわい梅」

シリーズのベースにもなっている「クッキングフレンドリー」というコンセプトを定着させたいと考えており、ご家庭のキッチンにあるような身近な素材のみを使用し、化学調味料不使用で、みその味わいで料理をもっと楽しくできて、簡単便利な調味料であることを認知してもらえるように訴求していきたい。
 
〈大豆油糧日報2022年1月26日付〉