日本植物油協会(久野貴久会長、日清オイリオグループ社長)は5月18日、千代田区の経団連会館で、「令和4年度通常総会」を開催した。

冒頭、4月21日に逝去したかどや製油の小澤二郎会長に対し、黙とうがささげられた。通常総会には会員総数20人全員が出席し、全ての議案が原案通り決議・承認された。その後に開催した理事会で、新たに選任された新理事・監事の中から、新会長に昭和産業の新妻一彦社長執行役員が、副会長に日清オイリオグループの久野貴久社長とJ-オイルミルズの佐藤達也社長が、専務理事には引き続き、事務局の齊藤昭日油協専務理事が選定された。

新たな理事には、かどや製油の久米敦司社長、理研農産化工の弟子丸静磨専務、外部理事に日本油脂検査協会の中津川研一理事長と事務局の伊藤雅淑氏が選定された。また、5月18日をもって、セッツが退会することとなった。2020年の社名変更を機に化成品の製造販売を中核とする会社に転換し、油脂については製造工場を持たない販売会社となったことを退会理由に挙げている。油脂の販売は継続し、日清オイリオグループのグループ会社の一員として、業界発展に寄与することを目指すとしている。

〈新妻新会長「安全・安心な植物油を安定的に届けるため適正価格実現の取り組み継続」〉
その後、懇親会が開催され、開演にあたり新妻新会長があいさつした。「前会長が刻んだ足跡を大事にし、業界の健全な発展と協会の運営に努めていく」とした上で、「コロナ禍において当業界をはじめとした食品産業は、国民の命を守るため、安定した食料生産とサプライチェーンの機能維持の役割を果たしてきたが、外食産業では制限が解除されたいまも厳しい状況が続いている。業界としてもこうした状況を踏まえ、閉塞感を打破し、新たな植物油の価値を創出していくため、植物油の価値、評価を高め、市場の活性化の取り組みに傾注していく必要がある」とした。

また、「足元では、油糧種子も高騰を続けており、ロシアのウクライナ侵攻により、取り巻く環境は一段と不透明さが高まっている。この結果、各社は経営計画の前提条件に大きな変更が生じ、数次にわたり価格改定を実施するなど、ギャップを埋めるため、大変厳しい状況が続いている。厳しい原料事情ではあるが、消費者に安全で安心な植物油を安定的に届けるためにも、コストに見合った適正価格実現の取り組みを粘り強く継続し、命を守る植物油のサステナブルな供給責務を果たしていくことがますます重要と考えている。安定的に供給するという強い使命感と責任感をもとに、フードシステムの基幹産業に従事するものとして、誇りとその役割を果たす決意を改めて内外に示すことが重要だ。今後も、さまざまな不測の事態が重層的に生じることが予想されるが、会員相互がフェアな競争を維持しつつ、一致団結して業界の健全な発展に取り組んでいかないとならない」と語った。

乾杯の発声は久野新副会長が行い、「関東大震災、太平洋戦争、第1次石油ショックという3つの危機を乗り越えてきた話を、当時の社長、会長からことあるごとに聞いていたことを思い出した。この3年の間に、パンデミック、気候変動の現実化、ウクライナでの戦争と制裁と、かつて50年の間で起きた3つの危機を経験している。かなりの難局の中にいるが、しっかりと皆さんと乗り越えていきたい。価値に見合った価格で提供し、結果そのことによって安定的にお届けすることを、しっかりと担保していきたい。価値については各社が切磋琢磨していくことになるが、共通の危機、社会的な課題など協調できることは協調体制を今まで以上に構築していくことで対応したい」と述べた。
久野貴久新副会長

日本植物油協会・久野貴久新副会長

中締めのあいさつで佐藤新副会長は、「植物油業界は何十もの苦境に面しているが、環境は自分達で選ぶことはできない。できることを精一杯やりながら乗り越えていかないといけない。植物油協会を通じて、力を合わせて業界を良くしていきたいと感じている」と述べ、最後に油締めが行われた。

日本植物油協会・佐藤達也新副会長

日本植物油協会・佐藤達也新副会長

〈大豆油糧日報2022年5月20日〉