大豆ミート関連商品の開発・製造を行っているエヌ・ディ・シー(岐阜県各務原市)の業績が急速に伸びている。

ここ最近では、2期連続で、30~40%増を達成している。BtoBを基本とし、加工食品メーカーへの供給が大半を占めている。大手食品メーカーやコンビニ、ベンチャー企業からのオーダーが増加傾向にあり、新しい工場の建設や、人員補充にも動いている。大豆を使った食品の開発・製造に特化しており、大豆ミート以外では、大豆を使ったスナックや麺、海産物など、さまざまな食品の研究開発に取り組んでいる。最近のヒット商品は、フィレ形状や、焼肉用の大豆ミートで、増産体制で対応しているという。

20年前の創業当時に、大豆にこだわった食品の開発・製造に特化した会社を創業した理由を同社の市川吉徳社長に聞いたところ、「先代が日本の高齢化社会を危惧していた。高齢になると必ず健康問題が深刻になってくる。飽食の時代に入り、食べ過ぎる人が増えていくと健康を害する人も増えてくる。そのため、米や小麦に置き換わる食品が必要だと考え、たん白質と食物繊維が摂れる大豆しかないだろうと考えた」と当時を振り返る。
エヌ・ディ・シー 市川吉徳社長

エヌ・ディ・シー 市川吉徳社長

創業当時は、少数のベジタリアンを対象とし、ダイエットに効果的な大豆麺などを販売し、根強いファンに支えられてきた。それが、近年のブレイクにつながっているという。
 
同社がブレイクしている理由は何か。他社との差別化を聞いたところ、「大豆ミートの基本的な製法は世界中同じ。ただ、大豆ミートを成形する際、こんにゃくなどを混ぜて、結着させていくところが多いが、当社は大豆だけで成形する技術を高め、いかに大豆だけで大豆ミートを作れるかにこだわっている。常識的には難しいが、それを覆すような製法を研究している」とする。
 
新製品では5月末から「大豆ベーコン」を発売した。「はじめは、海老を作ることを目的としていたが、出来上がってみると、食感や色味がベーコンに近かったので、大豆のベーコンとして発売することになった。プラントベースのメニューを提供する店舗では、ベーコンバーガーに使われることが決まっている。近年は、海産物もどんどん減ってきている。取引先からも、スルメが作れなくなるといった声を聞いていた。特に海老は中国での消費が高まっていることから、需要がさらに高まることが予想できる。そのため、大豆を使った海老の開発は今後も続けていく」と研究開発への意欲を見せる。
 
〈大豆ミートはもっとおいしくなれるはず、新たなおいしさや楽しさを追求していく〉
今後も同社では、「大豆ミートを活用して、どんどん新しい食品を開発していこうと考えている。今年は二次加工業者と共同で、独自のハンバーガーパテを開発する計画が進んでいる。ほかにも、いろいろな案件が寄せられており、ひとつひとつ丁寧に対応していきたい」とし、大豆ミートブームによって生まれた大きなチャンスに挑む構えだ。
 
ただ、危機感も抱いており、「プラントベースフードは普及し始めているが、定着しないまま沈んでいってしまうのが怖いので、メーカーとしては、おいしくて思わず食べたくなるような大豆ミートがカギを握ると思っている。大豆ミートは、お肉の代わりに我慢して食べるような食品ではない。おいしいと感じていただける食品がたまたま大豆から作られた食品だったという状況を作りたい。また、最近では、大豆臭がしない、味もあまりしない方向にトレンドが流れ、ソースでおいしさをカバーする傾向にある。大豆の風味を生かしたもっとおいしいものができるはず。新しいおいしさや楽しみをこれからも追求して提供していきたい」と抱負を語った。
 
〈大豆油糧日報2022年6月13日付〉