東京油問屋市場 島田新理事長が会見、次世代の体制を軌道に、勉強会も積極開催

東京油問屋市場 新理事長に就任した島商・島田豪社長
東京油問屋市場は6月30日、東京都中央区の油商会館で、6月27日の第122回定時総会で新理事長に就任した島商・島田豪社長の記者会見を行った。

理事長1年目となる今期は、若返りを図り、次世代の体制を軌道に乗せること、前理事長の取り組みを継承しつつ、更に発展させること、そして、業界の発展のために企画委員会と情報委員会では、より深く学べる油の勉強会と油脂に関連した勉強会を積極的に開催し、業界全体として油脂の知識を構築することを掲げ、「以上3点に邁進し、業界の振興に寄与する所存だ」と意気込みを語った。

島田理事長は副理事長時代について、「館野前理事長の下、2期4年間多岐にわたる企画を共に進めてきた。前理事長は過去の経験を生かし、非常に法律に則った方法で数々の改革を行ってきた。特に後半はコロナ禍に伴い活動も限られ、油を使う飲食店業界も低迷し、思うような活動ができなかった。その中で情報委員会を立ち上げ、Zoomを使ったセミナーを開催するなど、さまざまな新しいことを実行されてきた。共に副理事長を務めたマスキチの金田社長、宇田川商店の宇田川社長にもアドバイスを仰ぎながら事業を進めていき、経験を蓄積する4年間だった」と振り返った。

続いて、ウクライナ情勢や新型コロナ禍も先が見えない状況が続いており、穀物価格の高騰の原因も、以前のように通常の原因ではなく、ここ数年は、コロナによる人手不足や各国経済の停滞、バイデン政権によるバイオディーゼル燃料の利用促進などで価格高騰が起きたことを指摘した。さらに、ロシアのウクライナ侵攻のために穀物の需給バランスが崩れ、小麦や油脂原料が出荷できない、輸入できないといった根本的な問題が起こっているという認識を示した。

「このように世界情勢の多岐にわたることが絡み合い、需給バランスが大きく崩れていることは、過去に誰も経験したことがない事であり、正直先輩方に聞いても答えは出てこないだろう」と述べた。

〈製造・原料調達で構造的な変化、斬新なアイディアを持って若い力で油市場を発展〉
一方で、「われわれの仕入先である製油メーカーでは、以前は素材の味を生かすための油脂の開発がメインだったが、昨今は非常にテクニカルな研究を進めている。乳化剤を使用し、油切れを良くすることで油を長持ちさせる技術や、環境問題も配慮した商品、ピローの開発などが進み、油も科学の時代になっている」とした。

※ピロー=吸油量やフライ油の劣化を抑制して長く使える油

また、イタリアなどでは、オリーブ油を製造することに注力しており、技術革新は世界的に起こっているとした上で、「世の中が製造においても、原料を調達することにも、過去では考えられないほど構造的な変化があり、このような時こそ、斬新なアイディアを持って若き力で、油市場を発展させていかなければならないと考えている」と意気込みを述べた。

また、島商の事業について、「問屋の中でも多岐にわたっており、さまざまな業種と取引があるため、広く浅くではあるが、幅広い分野でのノウハウを有している。そのため、油脂の勉強会はもちろんのこと、それにまつわる商品やバイオディーゼル、さらには、最新の油の科学の勉強会などを今後開催したい」と展望を語った。

副理事長には新たに、同世代だという穴水の穴水健治社長を迎え入れた。「今までは、企画委員会委員長として、いろいろな企画を行い、実行してくれた。引き続きその分野を引っ張っていって欲しいと思っている。また、前理事長の館野社長にも引き続き副理事長として残ってもらう」と新体制について説明した。

〈島田豪(しまだごう)氏プロフィール〉
1972年5月23日東京生まれ。96年3月慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同年4月昭和シェル石油入社、98年4月サイリス入社、2002年8月米国サンダーバード国際経営大学院国際経営学修士(MBA)取得、03年2月島商入社、09年7月専務取締役、11年7月代表取締役社長(11代目)、現在に至る。

〈大豆油糧日報2022年7月4日付〉