鏡餅の受注締切日を10月末に設定、過剰生産是正へ、全国餅工業協同組合・日本鏡餅組合・全国包装鏡餅協議会が会見

左から峯田会長(全国包装鏡餅協議会)、佐藤理事長(全国餅工業協同組合)、樋口理事長(日本鏡餅組合)、星野会長(越後製菓)
左から峯田会長(全国包装鏡餅協議会)、佐藤理事長(全国餅工業協同組合)、樋口理事長(日本鏡餅組合)、星野会長(越後製菓)

全国餅工業協同組合(佐藤元理事長=サトウ食品(株)社長)、日本鏡餅組合(樋口元剛理事長=たいまつ食品(株)社長)、全国包装鏡餅協議会(峯田吉男会長=城北麺工(株)会長)の3団体は5月18日、加盟各社が製造・販売する鏡餅の受注締切日を10月末日に設定した。

同日、3団体トップと越後製菓(株)の星野一郎会長が会見。「過剰生産を是正することで、持続可能な鏡餅の伝統文化を継承していく」との方針を示した。流通サイドへの周知は各社がこれから行う。佐藤理事長は「餅業界としての問題提起の一歩目になる。いろいろあった業界だが、一致団結できた。餅を少しでも拡大していきたい」と述べた。

鏡餅業界では需要が年末に集中するため、年末間際でも生産を行うなど過剰生産が常態化している。近年の食品製造・流通業界の課題である環境配慮、食品廃棄・資材廃棄削減に対応するべく締切日を設定した。需要に応じた生産体制最適化にもつながり、収益性向上も期待される。

佐藤理事長は「鏡餅はキワモノ。正月を迎えて店頭に並んでいたら価値はゼロ以下になる。クリスマスケーキであれば、クリスマスが過ぎても半額にすれば売れるかもしれないが、鏡餅は半額だからといって2つ買う人はいない。環境配慮やSDGsの面からも、資材ロスの現状を看過していいものか。業界を持続させていく上で問題提起する」と述べた。

鏡餅市場は約100億円規模で、コロナ禍前から縮小傾向が続くという。平成初期から、顧客の利便性向上のために小餅を入れたプラスチック包装商品などを展開してきたが、年々商品サイズも小さくなっており、「このままでは置かなくなるかもしれない」(佐藤理事長)と危機感もある。

業界では1990年に「鏡餅の返品お断り」に取り組み成功している事例がある。

〈米麦日報2023年5月22日付〉

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