バイオマスレジンHD、被災地でライスレジン原料米20ha 作付、南東北クボタ・ちーの3社連携協定、営農再開加速・地域活性化図る

左から中谷内美昭代表、矢部健社長、神谷雄仁代表
左から中谷内美昭代表、矢部健社長、神谷雄仁代表

(株)バイオマスレジンホールディングス(神谷雄仁代表)は6月22日、生産法人・(株)ちーの(福島県浪江町、中谷内美昭代表)と(株)南東北クボタ(宮城県名取市、矢部健社長)の3社による包括連携業務提携を締結した。

今後、米由来のバイオマスプラスチック「ライスレジン」の取り組みを通じ、南東北の農業振興や被災地の営農再開を加速する。同日、宮城県名取市の南東北クボタ本社で締結式を執り行った。

バイオマスレジンHDは2022年11月、浪江町に国内3拠点目となるライスレジンの製造工場を竣工した。ちーのは2022年9月設立、福島第一原発事故の被災12市町村のうち、浪江町や飯館村で令和4年産からライスレジンの原料米を生産している。当初から南東北クボタが協力し、クボタ製のドローンを使用した直播や再生二期作に取り組んでおり、令和4年産では10ha作付、50tの原料米を収穫した。更なる営農再開に向け令和5年産では20haを作付、「多少変動する可能性はあるが、全量を新市場開拓用米として補助金を活用予定」(中谷内代表)とする。

作付品種は天のつぶで、「食料安保が叫ばれる目下、有事には主食用米として使うこともできる」。今年からはクボタの営農支援クラウドサービス「KSAS」を導入し、生産性向上を図る。また、中谷内代表は「陸稲にもチャレンジしており、上手くいけば化学肥料や農薬の削減にも繋がる。最も効率の良い方法を模索中だ」とし、これらのノウハウを蓄積して被災地のみならず南東北(福島・宮城・山形)の耕作放棄地の活用も目指す。

そして3社が目指すのが「地方創生・自治体・学校SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)モデルプラン」の構築だ。ライスレジン原料米の生産や特米などの“米”を起点に、SDGsを最大限PRし、企業の誘致を行う。さらにライスレジンを指定ごみ袋や学給の食器などに活用することで、自治体の脱炭素に向けた取り組みを後押しするなど「新しい農業の在り方について3社でチャレンジしていく」。

神谷代表は「今年度のライスレジンの需要は3,000~4,000tを見込んでおり、採用例は800に達した。また、自動車の部品など新たな領域でも導入間近だ。我々が目指すのは10万tなので、まだ入り口ではあるが、ライスレジンへの熱量は着実に上がっている。需要にはしっかりと対応していきたい」と述べた。

〈米麦日報2023年6月26日付〉

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