ハスラボ、廃棄レンコンをパウダーに加工し価値をアップデート、「HASKO」発表

HAS-LAB(ハスラボ)レンコンパウダー「HASKO(ハスコ)」
HAS-LAB(ハスラボ)レンコンパウダー「HASKO(ハスコ)」

合同会社HAS-LAB(ハスラボ、茨城県土浦市)は7月25日、都内でレンコンパウダー「HASKO」(ハスコ)の商品発表会を開いた。

「規格外で廃棄するレンコンを有効活用し、小麦粉・米粉の代替需要を狙う」(寺嶋祐哉代表社員)。8月1日から販売を開始した。

HAS-LAB(ハスラボ)寺嶋祐哉代表社員
HAS-LAB(ハスラボ)寺嶋祐哉代表社員

HAS-LABは2022年、土浦市のレンコン生産者が中心となって結成。茨城県はレンコン生産量が全国1位(シェア約5割)。特に土浦市はレンコン生産が盛んで、全国の作付面積の4分の1を占める。その土浦市の生産量8960tのうち、出荷量は7610t、廃棄量(不可食部)は1350t、規格外(可食部含む)は400t。

従来は「最高品質のレンコンを安定して供給するためにはやむを得ない」と規格外も含めた廃棄を容認していた。しかし、近年になって「SDGsの観点からも廃棄品を活用した事業への取り組みが必要」、「そもそも、栄養価の高いレンコンの市場価値を創造したい」と意識が変化したという。

そこで、HAS-LABは△レンコンの可能性を広げ新たな市場に参入△レンコンパウダー・加工商品の生産量日本一△土浦市のレンコン廃棄ロスをゼロに△協力農家のレンコン廃棄ロスを無くす――ことを目標に活動を開始した。すでに、協力農家の廃棄するレンコン約5tをHASKOなどの原料に使用した実績がある(従来の協力農家の総廃棄量は約7t)。

寺嶋代表は「ハスコは食物繊維・栄養価が豊富で低カロリー。オートミールやおからパウダーの様に、スーパーフードとして注目されている」とPR。また、△40℃以下の低温乾燥によりビタミンCを壊さず加工、△他のレンコンパウダーと比べ、粒をきめ細かくすることで、パン・菓子で小麦粉代替や栄養強化食品として使える――などの特徴を挙げた。パン・菓子向けは小麦粉に約10%のハスコ混合が適量だという。「グルテンを含まないため小麦アレルギーの方でも食べられる」とも。

レンコンパウダー「HASKO(ハスコ)」活用例
レンコンパウダー「HASKO(ハスコ)」活用例

レンコン約800gからハスコを120g製造できる。ハスコと小麦粉・米粉の栄養価を比較すると、カロリー・たんぱく質・脂質・炭水化物に大きな差はないが、食物繊維・ビタミンC・カリウム・カルシウムを多く含む。

一般向け(120g、税抜1560円)を楽天やアマゾン、LINEで発売しているほか、業務用では500g・1kgにも対応。既に茨城県内のベーカリーやパティスリーとコラボし、カンパーニュやフィナンシェなどを開発した。全国のベーカリー・パティスリー・和菓子店とも商品開発を進めているという。

HAS-LABは低温で揚げたレンコンチップスや、サプリメントも販売。「ハスラボでの取り組みによる廃棄削減はまだまだ一部。レンコンをレンコンではない形で日常に取り入れていく。食品だけでなく基礎化粧品の開発も行っている。レンコンの価値をアップデートしたい」(寺嶋代表)。

〈米麦日報2023年7月27日付〉

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