イオン カルローズ米100%「かろやか」4kg・2,894円、1.4万tを通常輸入

イオンは5月13日、カリフォルニア産カルローズ米100%「かろやか」の新商品発表会・試食会を東京都港区の在日アメリカ大使館大使公邸で実施した。2025年4月に緊急発売したアメリカ産米と国産米のブレンド「二穂の匠(にすいのたくみ)」に続き、国産米の高騰、不足に対応する商品として展開する。発売は6月6日から順次。米の不足しているエリアで優先して販売する。1袋4kg・税込2,894円。
販売・輸入数量は1.4万t。「二穂の匠(にすいのたくみ)」はミニマムアクセス米を使用した商品で関税はかかっていないが、「かろやか」は通常輸入品でkg当たり341円の関税を含む。「二穂の匠(にすいのたくみ)」は4kg・税込3,002円だった。「かろやか」は、1.4万tを約3カ月で販売することを見込む。以後の輸入・販売は、政府の備蓄米の放出など状況を見て判断するという。数量のみではなく、ピラフやリゾットなどの提案を進め、米の選択肢としてカルローズ米が定着すれば、販売・輸入を継続する可能性がある。
◆「日本の米文化を支える」選択肢としてのアメリカ産米企画―イオン土屋氏

発表会では、イオンの土屋美津子取締役執行役副社長商品・物流担当が発売の経緯や意図を説明した。「国内で深刻化している米の供給に対し、米を提供していきたい。日本の米の食の文化を未来まで支えていく、お客様に寄り添う存在でありたいという思いから開発を進めたもの」としている。2024年の夏に十分に供給できなかった反省から、「二穂の匠」の緊急販売や今回の「かろやか」の発売を企画したという。(写真はジョージ・グラス駐日米国大使・左とイオンの土屋副社長)
価格面でも、高騰した米の「購入を迷う消費者が見受けられる」とし、子育て世帯などにも「お買い得な価格」で提供する。
また、米不足・価格高騰により「パンやパスタの数量が伸びている。売上だけを見ると米は高いため金額はあるがパンやパスタ、特に菓子パンや総菜パンは数量で2ケタ増となっている」と現状を説明。アメリカ産の「かろやか」を店頭に並べることで厳しい中でも選択肢を示し、食生活の急激な変化、「“お米離れ”を起こしたくない」と語った。
◆日本の消費者は米の品質に世界で最も妥協しない、イオンでのカルローズ米100%の商品発売は歴史的なこと―ジョージ・グラス大使
大使館での発表会では、ジョージ・グラス駐日米国大使、カリフォルニア米農家のレオ・ラグランデ氏が登壇した。
ジョージ・グラス駐日米国大使は、「日本にとって米は非常に重要で、おそらく世界で最も品質に妥協を許さない消費者がいる。農家には、日本に売ることができたら世界のどこでも売ることができると伝えている。そのため、日本で最大のスーパーマーケットチェーンが全国の店舗で100%アメリカ産カルローズ米を提供することは本当に歴史的なこと」とあいさつ。
レオ・ラグランデ氏は、「カリフォルニアの米農家は長い間、日本の稲作の規律、伝統、心遣いを称賛してきた。共通の価値観に基づいて稲作を行っている」と語った。
試食会では、カルローズを使用した「ライスサラダ」「カルローズボール」「雑炊」「SUSHI」などをカルローズ米に適した調理方法で提供、デザートも「カルローズのムース」「カルローズのタルト」を用意した。
イオンとしても、カルローズ向きの調理提案を進め、日本の米と違った選択肢のひとつ、米文化の形として提案していく考えだ。
〈米麦日報 5月14日付〉