「じっくりコトコト」主食にもなるスープを強化、「超盛」新作とパイ商品復活 ポッカサッポロフード&ビバレッジ

「じっくりコトコト超盛 燻製香じゃがいもポタージュ」
「じっくりコトコト超盛 燻製香じゃがいもポタージュ」

ポッカサッポロフード&ビバレッジは、カップ入りスープ「じっくりコトコト」ブランドの新商品を8月25日から全国発売した。8月19日に行われた発表会では、食べ応えを重視した「超盛」シリーズに新フレーバーを追加するとともに、濃厚スープにパイを組み合わせた新商品を発表。主食代替となる提案を強化し、スープの枠を超えた需要開拓に挑む姿勢を示した。

まず投入するのは「じっくりコトコト超盛 燻製香じゃがいもポタージュ」。従来の2倍量のパンを加えた「超盛」シリーズに、燻製の香りと黒こしょうを効かせたポタージュを新たに加える。ポタージュはとろとろの口当たりで満足感が高く、試食会で「これ一杯でしっかり食事になる」など参加者の声が上がった。燻製香がじゃがいもの甘みを引き立てており、スープを超えた満足感の提供を図る。

「じっくりコトコト BISTRO 仕立て デミグラススープ」
「じっくりコトコト BISTRO 仕立て デミグラススープ」

一方、新たにパイ具材を使った「じっくりコトコト BISTRO 仕立て デミグラススープ」を展開する。牛肉や野菜の旨みを凝縮したスープに、3年ぶりに復活させたオリジナルのパイを採用していることがポイントだ。カップ入りスープに対して、作るには手間のかかる本格料理を手軽に味わいたいというニーズがあることから開発したという。

パイは層をあえて少なくすることで空洞を減らし、スープが染み込みにくくなる工夫を凝らした。これによりサクサクの食感が長持ちし、食卓での“特別感”を演出する。同社商品開発研究所の池田暁仁氏は、「層を増やすのではなく、減らすという逆転の発想で、他社が真似できないサクサク食感を維持し、パイとスープが一体になったおいしさを追求した」と語った。

ブランドマネジメント部の佐々木氏(左)と商品開発研究所の池田氏
ブランドマネジメント部の佐々木氏(左)と商品開発研究所の池田氏

同社のカップスープは、“高付加価値型”スープの展開を図り、満腹感や贅沢感といった一歩先の価値提案に注力している。カップ入りスープ市場全体は、コロナ禍以降のオフィス需要回復で堅調で、400億円超の規模となっている。

昨今は、暖冬など年間を通じて高い気温が続くなどの影響が出始めているが、同社は「食事にもなるスープ」という切り口により、主食代替としての存在感を高めようとしている。米の価格が高騰する中で、麺やパンを食べる機会が増える流れも追い風になりそうだ。

今秋以降はテレビCMやウェブ施策を通じて認知拡大とトライアル促進を図る。発売翌週の「防災の日」(9月1日)に向けては、19カ月の賞味期間を活かしたローリングストック需要も視野に入れる。11月からは「超盛」のテレビCMも展開する。同社マーケティング本部ブランドマネジメント部の佐々木恭子氏は「“超盛”はスープを超えた“食べ応え”で、新しいシーンを切り開いていく。昨年の発売時からリピーターが多い製品なので、今秋はトライアル獲得を図っていく」と述べた。