【25年クリスマスケーキ商戦】1人用やミニサイズが充実、購入予算は3,000円台

不二家は映えを意識した小さめのクリスマスケーキをそろえる
不二家は映えを意識した小さめのクリスマスケーキをそろえる

クリスマスケーキ商戦が佳境を迎えている。2025年もイブ・クリスマスともに平日となり、1人用や少人数向けのカットケーキ、ミニサイズのホールケーキが充実している。

インテージが全国15歳から79歳の男女5,000人を対象に実施したクリスマスに関する調査によると、2025年クリスマス市場の推定規模は7,274億円で前年比94.2%となり、23年比で約3分の2となった。平均予算は1万6,418円で前年横ばい。一方、2023年の2万2,588円からは水準が低下している。物価高騰をふまえると、実質的な支出は抑制傾向にある。

節約志向が高まる中にあっても、イベントの象徴といえるケーキの需要は底堅い。「ケーキを食べる」と回答した人は前年から横ばいの40.6%だった。購入予算は「3,000~3,999円」が29.7%で最も多く、「2,000~2,999円」(20.1%)、「4,000~4,999円」(17.0%)と続く。いずれも前年並みだ。5,000円以上の高価格帯ケーキも前年並みの12.2%となった。

クリスマスケーキ予算
クリスマスケーキ予算

こうした状況下、不二家は時間が限られる平日のクリスマスならではの特別感を打ち出す。ライフスタイルにあわせて選べるケーキを600円台から1万円程度まで取りそろえる。洋菓子事業本部営業本部長の金田剛氏は、「24年のクリスマスも平日に重なり、ホールケーキの販売数量は23年を下回ったが、カットケーキが大きく伸び、全体では23年の売り上げを上回った。例年通り家族などとシェアできるホールケーキに加え、今年も1~2人用のケーキを充実させている」と話す。

注力品の「クリスマス苺のミニショートケーキ」は、ふわふわのスポンジにシャンテリクリームと苺シロップ漬けを挟み、上面に苺2粒を飾った。直径約90mm。税込1,800円。生産ラインの最適化により、コストパフォーマンスの向上に努めたという。

映えを意識し、彩りにこだわったカットケーキや1人用ケーキも用意した。クリスマスらしいモチーフをあしらった「クリスマスサンタの苺モンブラン」(税込621円)や「クリスマス雪だるまケーキ」(税込680円)のほか、店内でデコレーションして提供する「クリスマスマカロンツリー」(税込972円)など6品を販売する。

不二家洋菓子店では今年、半額セールや「裏不二家の日」などの販促策を実施し、その後の再来店につなげ、ユーザーの囲い込みに成功した。カカオ豆高騰の影響が大きいチョコを中心にクリスマスケーキは前年から3~18%程度値上げしたが、事前予約は前年を大きく上回っている。

ローソン クリスマスケーキラインアップ
ローソン クリスマスケーキラインアップ

ローソンは消費の二極化を想定し、手頃な価格の少人数用と特別感のある高付加価値品を取りそろえる。毎年人気のUchi Café小さなスノーボンブシリーズからは、今年新たに3.5号サイズを提案する。直径約11cm、税込2,420円。2~3人用で、5号サイズよりも価格を約1,000円抑えた。個食用ケーキは「UC×Milk MILKケーキ3号」(税込678円)など、400円~1,500円で12品展開する。

高付加価値ケーキは、「Uchi Café×GODIVA ショコラノエル 4号」(税込5,250円)など4品。ほかに、創業50周年を記念した「Uchi Café 至福のストロベリークリスマス 6号」(税込1万4,920円)、人気バンドとのコラボ品「Uchi Café×Mrs. GREEN APPLE MGAクリスマスケーキ4号」(税込4,370円)なども用意した。

いずれも白砂糖不使用・グルテンフリー。クリスマス限定クッキー缶(左下)も
いずれも白砂糖不使用・グルテンフリー。クリスマス限定クッキー缶(左下)も

健康志向に対応したケーキも増えている。白砂糖不使用・グルテンフリーのスイーツを展開するパティスリーBEYOND SWEETSでは、前年から引き続き25年もクリスマスケーキを数量限定で販売する。低糖質・プラントベース対応のケーキも一部用意した。

今シーズンは小さめのケーキを中心に、クリスマスらしい見た目や、通常期に要望の多いミニサイズのアソートを加えて提案する。10月に開始したECの予約状況は11月末時点で前年比210%だった。旬の国産苺をトッピングした「いちごのプラントベースショート」は、8大アレルゲン不使用のアレルギー対応品だ。3.5号サイズ(約10.5cm)・税込5,184円と4号サイズ(約12cm)・飾り無し税込5,400円、飾り有り税込5,940円を提案する。また初めて、クリスマス限定のクッキー缶を用意した。BEYOND SWEETS社長の島村ピコ可奈氏は、「食事の制限がある方や健康を気づかう方も、みなさんで一緒にクリスマスを楽しんでいただきたい」とする。

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食品産業新聞

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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ブランケット版 8~16ページ
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