みすずコーポレーションが長野・大町市に油揚げ工場を建設、19年7月稼働

大町アルプス工場イメージ
みすずコーポレーションは17日、大町市役所で記者会見を開き、油揚げ・油揚げ加工品を製造する大町アルプス工場を建設することを発表した。

大町アルプス工場は大町市常磐アルプスパノラマ工業団地に隣接する立地で、地上1階建、敷地面積は2万0,895㎡、建築面積は4,200㎡。まずは油揚げ1ラインを導入し、生産能力は20時間稼働で30万枚となる。なお同工場内には最大3ラインまで導入できる。投資額は約20億円で、4月から造成工事を開始し、19年7月の稼働開始を目指す。

〈豆腐に適した水が豊富な土地に建設、今後の生産拠点の中心に-塚田社長〉
会見にあたり、塚田裕一社長は「当社は凍り豆腐を中心に、油揚げ事業にも取り組んできた。現在では油揚げや味付けいなりなどの、油揚げ加工品の売上が中心になり、油揚げ関連が70%、凍り豆腐が20%の構成になっている。食品業界は人口減など厳しい環境ではあるが、それ以上に寡占のスピードが速まっている。その中で、昨年には山梨に工場を確保したが、本来の合理化生産のできる工場を作りたいと考え、豆腐に適した水が豊富にある大町に土地を取得できた。工場稼働により今後の大豆加工品の広がりも出てくると確信している。今後の生産拠点の中心にしていきたい」と新工場建設の狙いを説明した。

続けて牛越徹・大町市長があいさつし、「大町市の豊かな自然環境、豊かな水資源に着目してもらえた。市の計画でも、働く場の確保、産業振興など地域経済活性化などを柱にして推進している。新たな工場の立地は、目指していた働く場の確保であり、地域経済の活性化、定住の促進にまで資する成果であると確信している。大町は水を中心にした地域ブランド確立にも注力している。みすずコーポレーションが大町の水に価値を見出し、製品として取り組むことは地域ブランドの励みになる」と新工場への期待を述べた。

大町市・牛越徹市長(左)、みすずコーポレーション・塚田裕一社長(右)

大町市・牛越徹市長(左)、みすずコーポレーション・塚田裕一社長(右)

新工場の詳細については田川国次専務が「水の問題、雇用の問題、広大な土地の問題などを検討し、大町市に決定した。建屋は長い設計になっているため、油揚げから味付けいなりの加工まで、一直線で行える。合理化した生産ラインとなっている。最新AIの導入も計画している。

油揚げ3ラインまで導入できる。本社工場では日産能力が350万枚、山梨工場が30万枚、大町アルプス工場が30万枚となり、全体では410万枚となる予定。また人員はまずは40人前後を雇用する。3ラインに拡大した際には100人前後になるだろう」と話した。

なおラインの拡大については塚田社長が「最初の1ラインは早々にフル稼働になる。最大3ライン入るが、2~3年でラインを拡大したい」と話した。また副産物のおからは全量乾燥させて活用するとした。

〈大豆油糧日報 2018年1月19日付より〉