岡雅彦・日清オイリオG執行役員食品事業本部副本部長に聞く-食用油特集②

–15年度の業務用油事業を振り返るといかがですか。

一年を通じて厳しかったが、特に上期は厳しかった。15年度に先立つ形で、昨年1月に価格改定を実施し、そこでは一定の成果をみたが、4月からの価格改定では結果を残せず、想定していた業績を残せなかった。

これを受けて下期も引き続き価格改定に取り組む一方で、原料相場の安定や、原油相場の下落によりエネルギーコストが落ち着いてきたこともあり、結果として業績に寄与した。また販売数量は、量販店総菜向けが好調だったこともあって、前年を上回る実績を確保した。

しかし一年を通して見た場合、上期の価格改定で出遅れた分が積み残しとなり、満足できるものではなかった。業務用油市場はまだまだ需要は伸びているが、それに対して安定供給をしっかりと続けるためにも、改めて食用油のコストについて顧客にご理解をいただく必要がある。

昨年4月に行った機構改革については、従来は縦割りだった組織から横のつながりが出来てきている。家庭用と業務用の連動も意思決定が早くなっており、事業展開はかなり早くなっている。

例えば家庭用油商品の「日清ヘルシーオフ」についても、業務用油商品「日清吸油が少ないフライオイル」としてこのほど発売した。開発段階から家庭用・業務用共通の部署で取り組んでおり、一つの柱として販売していきたい。(詳細は本紙にて)