全国納豆鑑評会、最優秀賞は「国産中粒納豆 伝説」
〈福島で開催、高丸食品「国産中粒納豆 伝説」が最優秀賞に〉
全国納豆協同組合連合会(納豆連)は21日、福島県郡山市で第29回全国納豆鑑評会を開催した。176点が出品され、最優秀賞である農林水産大臣賞には、高丸食品(愛知)の「国産中粒納豆 伝説」が選ばれた。

今回、開催地に選ばれた福島県は、総務省の2024年家計調査で納豆の購入金額が全国トップとなり、県民の納豆愛が強いことが知られている。納豆をはじめ、みそやしょうゆ、日本酒や甘酒など多彩な発酵食文化を有している県でもある。
出品された納豆のうち、福島からは6点(3社)が出品された。部門別では、「大粒・中粒部門」55点、「小粒・極小粒部門」63点、「アメリカ大豆部門」7点、「アメリカSAS(サステナブルソイビーン)部門」14点、「ひきわり部門」37点だった。メーカー数は68社。審査員は研究者、文化人、食品関係者、省庁関係者など17人が務めた。「外観(見た目)」、「香り」、「食感(味を含む)」の3項目を5点満点で採点し、審査員の合計点数上位から受賞商品が決定した。
〈全体的に品質向上、アメリカ大豆部門は商品ごとの差が生まれる〉
長谷川裕正顧問が総評を述べ、「全ての部門で良い製品がそろい、差をつけるのが大変だった。『小粒・極小粒部門』は色が薄いものから濃いものまであり、食感が硬いとの指摘も一部あった。『大粒・中粒部門』は粒ぞろいが良く素晴らしかった。『ひきわり部門』は色が綺麗で、チロシンやアンモニア臭もなく良いものがそろっていた。『アメリカ大豆部門』は色が濃い目で、極端に悪い製品はなかった」と話した。
審査員の所感では、長谷川健太郎会長が初審査を務め、「小粒・極小粒部門」を担当した。「これまで技術の差が指摘されてきたが、回を重ねるごとに差は縮まってきたと聞いている。(個人的な好みにより)柔らかめの納豆に高い点をつけた。(時間経過で変化しやすいため)色は評価の対象にしていない」と話した。「総務省の家計調査によると、福島市の納豆の消費額は過去10年で9回、全国ベスト3に選ばれている。ここからさらに、納豆の魅力が広がっていけば良いと思う」と期待を寄せた。
アメリカ大豆輸出協会の立石雅子日本副代表は「アメリカ大豆部門」と「ひきわり部門」を担当し、「全体的に難しかった。アメリカ大豆部門は、これまで似通った商品が多かったが、今回は差を感じた。粒の大きさや色、味が異なり、米国大豆の品種がいろいろ開発されたことで差が出たのではないだろうか。レベルの向上を感じた。うま味を感じられるようになった」と語った。米国大豆は小粒品種が多いが、大粒納豆の出品もあった。「ひきわり部門」についても「ひきわりも美味しかった。品質が良く美味しいため審査が難しかった。食感もさまざまだった」とした。
「大粒・中粒部門」を担当したヘルシーフーズワタナベの渡辺成行社長は、「品質の向上を感じる。大豆のうま味を引き出すために蒸煮や発酵に力を入れている印象で、糸引きが良かった。今回は食感にこだわって採点した。噛むほどにうま味が出る納豆を高評価にしたが、惜しい商品も多かった」とコメントした。
審査発表に先立ち、こども食堂の運営を行う「Oh!Say(おうせ)食堂」、「子ども食堂 ハラクッチーナ」に対し、全国納豆鑑評会に出品された納豆176品と、福島県納豆組合に加盟する各社の納豆を寄贈した。
次回の全国納豆鑑評会は、愛知県名古屋市での開催を予定している。
同日、「第12回世界納豆まぜまぜ選手権」、「同のびのび選手権」が開催され、10組が参加した。成績上位チームには、納豆のマスコットキャラクター・ねば~る君のオリジナルグッズが贈られた。

〈大豆油糧日報2025年11月27日付〉







