【キッコーマン食品プロダクト・マネジャー室長・關真司執行役員インタビュー】売上は回復傾向、米価格の高止まりによる調味料の買い控えの影響が一巡

キッコーマン食品 關室長
キッコーマン食品 關室長

──今年度上期を中心に昨年を振り返って

上期は、主力のしょうゆは前年同期並みの売上高を確保できた。さらに秋口から回復傾向にある。これまでは米価格の高止まりにより、調味料は買い控えの影響もみられたが、それも一巡したのではないか。また、消費の二極化とよく言われるが、価値を認めていただける商品は、比較的想定どおりにきている。

しょうゆ部門では、「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」を、昨年2月にさらに鮮やかな色合いとフレッシュな味わいにリニューアルし好評だ。620ml中心に好調に推移している。

下期には「いつでも新鮮 味わいリッチ減塩しょうゆ」をリニューアルしたが、足元の盛り返しに貢献していると考えている。減塩しょうゆは、塩分を控えたいという方のつけ・かけ用途で支持され、調理にはあまり使われていなかった。

「味わいリッチ減塩しょうゆ」は今回のリニューアルにより、うま味を向上させたことが奏功したと考えている。

加えて、新CMキャラクターに目黒蓮さんを起用したことが、大きな支持につながっている。若い女性だけではなく、幅広い年齢層のお客様に響いているようだ。目黒さんには、これに加えて昨年12月から、すき焼きのCMでナレーションを務めていただいているが、放映当初から話題を呼んでいる。

このほか、国産原料100%の「いつでも新鮮国産しょうゆ」と、有機認証取得の「いつでも新鮮 特選有機しょうゆ」を、密封ボトル200mlで昨年8月に新発売した。こだわり層の方々の支持を得られ始めている。

〈業務用は機能性しょうゆの提案に注力、上期は気候変動に対応した春夏商品を強化〉

──食品部門の各カテゴリについて

つゆ類は全体として前年同期を上回っている。4倍濃縮の「濃いだし本つゆ」は、調理でのびが良く、汎用性の高さで支持をいただいている。

涼味うどんをターゲットにした小分けタイプ「具麺」シリーズも、冷凍うどんとのタイアップや、猛暑の後押しもあり、まずまずの実績を残せた。

たれ類は、「わが家は焼肉屋さん」シリーズのCMキャラクターに松山ケンイチさんを新たに起用し、夏場の焼肉・バーベキューシーズンと秋口にCMを投入し、市場平均を上回る実績を確保できた。

しょうゆベースでごま油の香りが特徴の「わが家は焼肉屋さん」は汎用性が高く、豚肉・鶏肉を使ったフライパン調理のアレンジメニューの訴求などにも取り組んだ。「ステーキしょうゆ」も好調に推移した。肉には当社の華やかな香りのしょうゆが合うとの評価を以前からいただいており、長くご愛顧いただいている商品である。

「うちのごはん」ブランドでは、野菜だけでメインのおかずがつくれる、1食で1日に必要な野菜350g の2分の1相当が摂れる新シリーズ「うちのごはん Vege」が牽引している。「うちのごはん」ブランドの元々のコンセプトは、基礎調味料で味付けをしなくても、日々のおいしい惣菜を調理できる、忙しい主婦の「お助け調味料」だった。それに対して「うちのごはん Vege」は、野菜をおいしく摂れる専用調味料の位置づけとしている。調理法も野菜の食感をしっかり残し、おいしく食べるのに適した、オイル蒸し+炒め調理に変更している。また、野菜には旬があるので、それに応じた食シーンの提案ができる。

「うちのごはん Vege」は2人前の設計としている。シニア層に支持されることは想定していたが、子育てファミリー層にも広がってきている。野菜不足は社会課題であり、その解決の一助となればと考えている。

デルモンテブランドでは、すりおろし果実100%の「ピュレフルーツ」に注力している。CVSでの取り扱いが拡大しており、食品スーパーでは青果売場での導入に取り組んでいる。

果物も野菜同様に摂取不足が社会課題となっているが、価格も上昇しており、また、果物1個の分量は多いという声もある。それを踏まえ、ワンハンドで果物を手軽に摂っていただけることを狙いとしている。いずれも野菜と果物の摂取をお助けする「手軽においしく」をテーマにした商品だ。「食で健康」をベースとしており、息の長いテーマなので、しっかり取り組んでいきたい。

──26年の展望は

売上を伸ばすことに注力したい。これまで価格改定も行い、一定の収益を確保してきたが、やはり数量ベースでの回復を図りたいと考えている。

業務用市場は業態によっては堅調だが、人手不足は深刻であり、業績を伸ばすことが難しくなっている。そうした環境を踏まえ、人手不足の中でもあまり手間をかけずにパフォーマンスを上げられるような、機能性しょうゆの提案に努めており、比較的順調に推移している。

例えば「極うまとろみ丸大豆しょうゆ」は、うま味・濃厚感が強く、少量の使用でもコクを高められる。「超特選うすくちしょうゆ低温発酵」は淡口しょうゆでありながら、うま味もしっかりしていることが特徴である。こういった業務用付加価値しょうゆが評価をいただいており、これらを伸ばすことで量的に伸ばすことを進めている。

さらに26年度上期に向けては、気候変動に対応した春夏商品を強化したい。近年の猛暑は調理機会に影響しており、これに対応した商品の強化に取り組みたい。

〈大豆油糧日報 2026年1月26日〉

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昭和33年(1958年)1月
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