「SOIA SOIYAビジネスセミナー」を大阪で開催、万博の恩恵受け数字好調-昭和産業

昭和産業は7月3日、大阪市北区の関西支店で「SOIA SOIYA(ソイアソイヤ)ビジネスセミナー」を開催した。昨年8月に販売開始した業務用の植物性食材の新ブランド「ソイアソイヤ」の魅力を伝えるとともに、大阪・関西万博開催に伴ってインバウンド需要が急増する関西地区で、卸や加工メーカーなどに向けて、ハラル・ヴィーガンに向けた活用法を、試食を通じて提案した。試食メニューでは、料亭「鈴なり」店主の村田明彦氏が考案した和食メニューの「出汁炊き」、小麦粉から置き換えた「大豆かりんとう」をはじめ、「タンドリーチキンのバケットサンド」、「大豆チップスのサラダ」、低糖質な汁なし担々麺や、同じく小麦の麺を代替したパッタイなど、和洋中の幅広いメニューが用意された。
4月に着任した藤原勇一関西支店長は関西支店について、「北陸、四国含む2府11県を管轄している。当社は幅広い事業を展開しているが、関西支店でも業務用製品、ミックス類、バルク含めた油、魚の餌まで幅広く扱っている。多方面のお客と接点があるが、総じて万博の恩恵を受け、数字は好調と聞いている。製菓製パン向けの業務用の小麦粉や魚の餌、大豆たん白が好調に推移している。単品に目を向けると、今年は米が高騰する中で、『お釜にポン』というご飯をおいしく炊ける商品も売れており、パスタも好調に推移している」とした。「ソイアソイヤ」については、「拡販していくためメニューを開発し、展開しているが、まだまだ道半ばなので、本日はぜひ忌憚のない意見をもらいたい」と述べた。

〈 代替肉以外もPBFですそ野を広げる、ラーメンや揚げ物、日本食の置き換え展開〉
「ソイアソイヤ」ブランドの紹介は、技術センターの山田真也プラントベースフードプロジェクトリーダーが行った。「25年は畜産の供給能力を消費が上回る転換機と言われる。不足する部分をどう補足していくかで、植物性素材が注目されている」と強調した。
同社は1969年に大豆たん白食品「昭和フレッシュ」の販売を開始しており、業務用や家庭用向けに食感や使いやすさなど品質を改良して販売してきた。20年には家庭で気軽に使える「ソイキッチン」シリーズを、24年には新ブランドの「ソイアソイヤ」をリリースした。同ブランド第1弾として、大豆たん白製品「HMSP」を昨年9月に、第2弾として「HMSPチャーシュー風醤油味」を2月に販売開始している。
「足元では大豆ミート離れが進んでいるが、人口が100億人を超えてくると予想される中、今後は再度、必要性が認識されると考えている。代替肉以外のところもPBFですそ野を広げていくため『ソイアソイヤ』ブランドを提案している」と語った。
「ソイアソイヤ」は社内プロジェクト活動でもある。「外食企業が抱える課題のフードダイバーシティに対する価値提供をしていく。東京では1月にビジネスセミナーを開催しさまざまな食材を提案したが、『大豆たん白でここまでできるのか』と好意的な意見をもらったという。
「ソイアソイヤ」については、「形、味付け、アイデアで使い方が限りなく広がる。大豆の新しい価値を見てもらっている。PBFのすそ野を広げる活動をしていきたい」とした。
セールスプランニング部の中西隆将次長兼マーケティンググループリーダーは、最新のプラントベース市場動向について説明した。日本における外国人比率は、2070年には日本の人口の10.8%に達することを紹介し、「ヴィーガンやPBFに対応していかないといけない」と力を込めた。「日本在中の外国人はさらに増えてくる。どこの店舗でも置いていかないとやっていけなくなるという危機感を持って提案している。ホテルや空港、観光地でアプローチしていき、メニューではラーメンや当社が得意の揚げ物、寿司のような日本食でも何か置き換えられないかと展開していく」と展望を語った。
〈大豆油糧日報 7月4日付〉