「健康と栄養」についての意見交換会、加工食品食育推進協議会共催

意見交換会の様子
意見交換会の様子

「健康と栄養」についての意見交換会(主催:食の安全・安心財団、共催:加工食品食育推進協議会)が9日、都内で開かれた。

会場には82人、オンラインでは437人と、500人を超える参加者が集まった。

前半は2025年に改定された食事摂取基準のポイントについての講演が、日本スポーツ栄養協会理事長の鈴木志保子氏によって行われた。この食事摂取基準の対象は個人ではなく、あくまで集団であるとし、各々に必要なエネルギーや栄養の状況は違うことを説明しながら、昨今あふれる健康情報やダイエットなどにまつわる偏った知識などについて警鐘を鳴らした。

後半では外食、中食、加工食品の活用など消費者にとって避けられない食の場面も含めたバランスの良い食生活実現のための方策や食育の役割などについて、招かれた専門家たちが意見を交換した。議題として、野菜の摂取量不足、食塩の過剰摂取、高齢者のフレイル予防、朝食欠食、食品ロスなど、現代の食生活におけるさまざまな課題が挙げられた。

閉会の挨拶では、加工食品食育推進協議会の事務局を務める、日本即席食品工業協会の専務理事吉井巧が今回のテーマ「健康と栄養」について「食事摂取基準が新しいものが出た。食に携わる者として当然、安全安心というのは基本的なことで、もう一歩進めて何ができるかということだと思う。総合的に健康栄養という視点で捉え直してみてはどうかなという思いで今回、このテーマを決めた」と述べ、「今日も紹介があったNPS(ネットモータースコア。顧客が企業や製品をどれだけおすすめする意欲があるかを示す指標)の話だとか先進的な企業はやっぱり新しい取り組みを相当やっている。表示の問題についても、新しいFOPL(Front of Pack Labelling/包装前面表示)の話も起きている。色々な取り組みを今回紹介をしていただけた。健康と栄養というのは単純にはいかないんだなというのがわかった。本当に複合的な色々な要素が関わってくる。あるいは、総合的な問題なんだなということも(わかった)。いずれにせよ、消費者に対して、楽しい食生活をいつまでも提供したいという思いはこれからも変わらない。加工食品を担う業界あるいは企業が、そういった部分にいかに貢献をしていくかということが非常に重要になってくるのかなと思う」と締めくくった。

日本即席食品工業協会の専務理事吉井巧氏
日本即席食品工業協会の専務理事吉井巧氏

〈米麦日報2025年9月11日付〉

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