発売40周年の「まめのりさん」に抹茶グリーン追加、5年で売上約1.5倍に

今年で発売40周年を迎えるJ-オイルミルズの「まめのりさん(MAMENORI SAN)」の販売実績が伸長を続けている。「まめのりさん」は大豆たんぱくシート食品で、巻いてそのまま食べるのはもちろん、揚げる煮る蒸す、焼くなどさまざまな調理が可能だ。
「まめのりさん」は国内向けの販売は終了しており、現在は海外向け製品のみを販売している。海外では、北米を中心にさまざまな国や地域へと拡大しており、いまや数十カ国に輸出している。コロナ以前に比べて、この5年ほどで売上規模は約1.5倍に増えたという。
同商品はNon―GMO、グルテンフリーの認証を取得し、さらに今春から英国のヴィーガン協会の認証を新たに取得した。
「ヴィーガン認証を取得し、認証マークを付与することで、より多くの幅広いお客さまに安心して口にしていただける機会が増えている」(同社)。
7月には新カラーの「MATCHA GREEN」を発売した。海外では鮮やかな色が好まれることから、カラータイプでは合成着色料を使用していたが、新商品は色付けに食品素材(抹茶)を使用したことが特徴だ。料理の味を邪魔せず、シェフが使いやすいように、ほんのり抹茶風味が残る程度にとどめている。「海外は抹茶人気が非常に高く、日本食材の展示会で海外のシェフにサンプリングを行うと好感触だった」(同社)と手ごたえを得ている。
バラエティタイプは現在、寿司との相性が良く、最も売れているごまに絞って展開しており、新商品を加えて全6品となった。

〈「ワールドすしカップジャパン」に初協賛、夢は「世界中の寿司店に使ってもらうこと」〉
今年は「ワールドすしカップジャパン」にも初協賛した。毎年実施されている外国人による世界一の寿司職人を決定する大会で、8月に第27回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」内の特設会場で開催された。ブラジル、ノルウェー、リトアニア、フランス、メキシコなどから勝ち抜いたシェフ約30人が参加した。
協賛企業として、決勝戦のユニフォームに「MAMENORI SAN」のロゴが掲出されたほか、会場ではシェフに新商品の「MATCHA GREEN」も配布した。
「さまざまな国のシェフにアピールすることができ、国に戻ってから使ってもらえることが期待できる。すでに『まめのりさん』を使っているシェフもいた。寿司文化が世界に広がっていることを感じた」(同社)。
同大会には来年以降も協賛していく予定だ。海外には競合する大豆由来のシート状食品もあるというが、多くのシェフから「まめのりさん」への根強い支持があるという。「ご飯との相性は非常に良い」(同社)と強調するように、シューマイの皮に使われる例などもあるが、寿司での用途が圧倒的に多いとしている。
終売となった日本ではかつて、恵方巻やひな祭りシーズンに多く使われていた。コロナ以降はインバウンドも拡大していることから、「年間を通じて使用されるほど量がまとまれば日本での再発売も検討したい」(同社)。
国によっては、色が黒いことや、フィッシーと表現される磯の香りが苦手なことから、海苔が敬遠されるケースもある。「海苔が苦手な方に、当商品を海苔代替として使用した料理を提供できるのは大きな意味がある。食卓を囲んだ人すべてがハッピーになれる」(同社)と同商品の意義を強調する。

今後の製品開発では、ナチュラルな素材を使ったカラー展開を進め、ラインアップ拡充を図っていくことを検討しているという。夢は、「世界中の寿司店に『まめのりさん』を使ってもらうこと」と語った。
〈大豆油糧日報 2025年10月20日付〉