【納豆連】青年同友会研修会を開催:ミニ鑑評会で太子食品工業「北の大豆 大粒納豆」が1位/研修会では食料システム法を紹介
全国納豆協同組合連合会(納豆連)はこのほど、都内で青年同友会研修会を開き、ミニ鑑評会と講習会を実施した。ミニ鑑評会では、45品の納豆が審査され、太子食品工業の「北の大豆 大粒納豆」が1位となった。講習会では講演を2本行い、うち「食料システム法について~コスト指標を中心に~」では、合理的な費用を考慮した納豆の価格形成に向けて、持続的な供給に資する協議の申し出や、取り組みの提案があった場合は、誠実な対応をする「努力義務」が食料システム法で新たに策定されたことについて説明した。
〈納豆業界の縮小続く 組合員数は20年で3分の1に〉
講習会の冒頭、長谷川健太郎会長があいさつした。「20年前には組合員が300人、10年前には約200人、昨年に100人を割り、現時点で94人となっている。この数字は、減ることはあっても増えることはないと認識している。日本の人口は2020年頃をピークに減少に転じた。これは就労者数の減少、また市場規模の縮小を意味する。この流れを止めることはできないが、少しでも遅くすることができるのではないかと考えている。この流れは今後さらに加速していく。厳しい状況ではあるが、何とかやっていかなければならない。そういった中で、(今回の研修会のような)あらゆる機会を使って、自分自身、また自社の血肉としてもらいたい」と語った。

〈合理的な価格形成と持続的な食料システムの確立を一体的に検討〉
講習会は、「食料システム法について~コスト指標を中心に~」を農水省新事業・食品産業部企画グループ 食料システム連携推進室の皿谷俊祐課長補佐が、「lgA 抗体と腸内細菌の関わりについて~納豆菌が腸内環境において果たす役割~」を東京大学定量生命科学研究所 免疫・感染制御研究分野の佐々木建吾特任准教授がそれぞれ講演した。
このうち、「食料システム法について~コスト指標を中心に~」では、「食料・農業・農村基本法」の改正について触れた上で、食料システム法について紹介した。併せて、食品の価格に関して、コスト上昇を理由とした価格交渉の申し出があった場合は誠実に協議に応じるなどの努力義務が策定されたこと、豆腐や納豆などを対象に、民間団体が「コスト指標」を作成できるようになったことなどが説明された。
合理的な費用を考慮した価格改正に関する議論では、単にコスト上昇による価格転嫁を促すだけでなく、付加価値の向上を促進する意見が聞かれたという。具体的には、国産原材料の活用や、有機農産物などを通じた環境負荷の抑制などが挙げられる。このため、持続的な食料システムの確立との一体的な取り組みとして併せて検討している。
〈ミニ鑑評会では太子食品工業「北の大豆 大粒納豆」が1位に〉
講習会に先立ち行われたミニ鑑評会では、45品の納豆が出品され、業界関係者が試食と審査を行った。見た目や香り、味、食感などの観点から5点満点で採点した。太子食品工業「北の大豆 大粒納豆」が1位に輝いた。
講習会後に行われた懇親会では、納豆連の外郭団体である納親会の鈴木英之会長(鈴与工業社長)が乾杯のあいさつをした。講演会の内容に触れ、「今の状況は全然合理的ではなく、食品製造システムも持続的ではないということを国が認めて動いてくれるということは願ってもないことだ」とした上で、「今日ここにいる人は、物価が約130%上がった中で耐え切った人だ。それぞれブランド力があり、これからいい方向に向くと思う。力を携えて応援していきたい」と述べた。

〈大豆油糧日報 2025年10月29日付〉







