ヤマタネ「第3回持続可能な稲作研究会」、多収穫米の品質良化
ヤマタネは2月27日、秋田県横手市で「第3回持続可能な稲作研究会」を開催した。同研究会は元々「萌えみのり栽培コンテスト」を前身としたもので、今回は名称変更をしてから3回目の開催となる。同社とともに多収穫米の生産に取り組む宮城・秋田・岩手のJA、JA全農、生産者や提携企業などが出席した。新たな多収穫米も含めた栽培関連や米殻情勢等の報告、栽培優秀者の表彰、提携企業等による講演を行った。
冒頭挨拶にて、河原田岩夫社長は「一連の米騒動は従来からの課題が顕在化してきたということ。生産者の高齢化、地域の人口減少、長期にわたる米価の低価格などの課題により、米の供給は減っていくのではないか。弊社の試算でも、遅くとも2030年ぐらいまでには供給不足が顕在化すると考えている」という懸念を述べたあと「お米は日本人の命の源で、地域経済あるいは文化を支える極めて重要な役割を担っている。そのお米が供給不足になるという事態は避けなければならない。そうした課題認識のため、当社は“産地の「続く」を支える”という経営課題を掲げている。生産者の皆様が安心して米を作り続けられる経営基盤を一緒に確立し、地域社会の成長や環境への配慮といった取り組みを一緒にやっていきたい。これが米の商売を100年やってきた当社の使命であると認識している」という思いを語った。
ヤマタネは「米穀情勢と販売状況・令和7年産作柄・品質概況報告」を行った。同社は2013年から「チーム萌えみのり」を立ち上げ、現在は「萌えみのり」に加え「しふくのみのり」の栽培拡大を支援し、多収穫米を推進している。飼料価格が不安定な時期こそ、高級ブランド米だけでなく、確実に多く収穫できる品種で経営の安定化を図るねらい。
今後は気候変動への対応として、高温耐性にすぐれたしふくのみのりのブランド力強化を進める。10年産からは「萌えみのりBL」という新品種の導入を計画しており、品質向上と安定供給体制の確立を目指す。これは従来の萌えみのりに、いもち病抵抗性を加えたもの。これにより、生産者には負担軽減と収益向上、消費者には安心できる価格での安定供給を実現する。現場からの要望が多い、高温耐性品種、早生品種など、気候変動や現場ニーズに対応した新品種の開発についても、農研機構をはじめとした協力企業と連携して積極的に取り組む。こうした連携を通じて、省力化・効率化を実現する直播栽培技術の確立や、高温干ばつに対応した新たな農業資材の導入についても検討を重ねている。
7年産の多収穫米の作柄状況については、萌えみのりの10a当たり収量が513.6kg(前年比▲7.8%)、しふくのみのりが576.9kg(▲2.6%)となり、両品種とも前年を下回った。一方で品質は大幅に改善され、整粒値は萌えみのりが72.3%(+10.0pt)、しふくのみのりが79.8%(+9.1pt)となり、1等米比率は萌えみのりが93.5%(+7.1pt)、しふくのみのりが95.7%(2.6pt)と両品種とも9割を超えた。未熟粒も大幅に減少し、粒立ちの良い米となった。

整粒値の分布図を見ると、太平洋側、日本海側ともに水準が高く、栽培技術が高いレベルで安定していることを示している。山が例年右寄りに変化していることからも、年々そのレベルは向上していることがわかる。グラフの山の幅が狭くなっており、生産者間のばらつきが少なくなっているため、7年産は品質面で優秀な年となった。

〈米麦日報2026年3月6日付〉







