Umios業務用冷凍食品、外食好調で鶏肉加工品、麺類などが伸長 外食・中食を主軸に自社製品の拡販に注力、水産部門との連携も深める
Umiosの業務用冷凍食品事業は、鶏肉加工品や麺類が外食業態などで引き合いが高まり、前期は一ケタ前半の増加、数量も前年を上回った。今期は外食・中食を主軸に自社製品の拡販に注力する。坂本紘太食材流通ユニット業務用流通事業部長に、前期の業績動向と今期の重点施策などを聞いた。

――前期を振り返って
2025年度業務用冷凍食品の売上高は、金額ベースで前期比一ケタ前半の増加、数量ベースで微増となった。上期は円高傾向もあり好調に推移したものの、下期はコスト上昇で苦戦し、利益についてはかろうじて前年を超えた。
業態別(外食・中食・給食)の動向では、外食は比較的好調に推移、中食は微増、介護食を中心とするメディカル給食は前年並みとなった。外食の導入先は個人店が多く、居酒屋やホテルビュッフェなどが好調だった。スポットとしては、昨年は大阪・関西万博が開催され、会場に出店した路面店などが順調に売り上げを伸ばした。中食はコンビニが堅調だったものの、総合スーパーや食品スーパーはそれほど大きな動きがなかった。
給食の中でも主力となるメディカル給食は、各施設で使用できる予算金額が上がらない中、物価高騰が続いており、NB品が苦戦し、留め型製品などへの引き合いが高まった。競合する配食サービスも価格対応品を強化しており、競争激化が進んだ。
カテゴリー別では、鶏肉加工品が大幅に伸長、麺類が堅調、水産品は苦戦した。鶏肉加工品は、主要産地であるブラジルやタイで、精肉価格の高騰が継続。値ごろ感や加熱済みで使いやすい点から当社品は伸長した。麺類はコロナ禍以降、伸長傾向にあり、昨年は米価高騰の影響も受け、コスト面で支持が高まった。水産品は、比較的割安感のあったスケソウダラの価格も高騰してきており、主力のフライ品を中心に価格を引き上げたことが減少要因となった。
――市場全体の動向について
前述の大阪・関西万博については、一部で特需も見られた。また、中国人観光客の減少はあったものの、インバウンドは引き続き堅調に推移している。メディカル給食は、今期も各社から値上げが相次いで発表されており、食材価格の高騰が継続する中、質の高い食事を安定して患者に届けるため各事業者とも奮闘しており、より厳しさが増すことが想定されている。
――今期の目標数値と方向性について
金額ベースで前期比5%増を目標に掲げる。今期に入ってからは、4月は絶好調となったが、5月は厳しかった。その理由としては、人手不足が深刻化する中、以前実施していた翌日配送を終了したためだ。ゴールデンウィーク分の注文が入った4月に売り上げの山場ができ、5月に反動減があり、2カ月間トータルでは2%弱増となった。
今春の新商品では、水産のつまみ2品「小いわしの竜田揚げ」「小いわしの天ぷら」が好調に移している。小ぶりサイズのカタクチイワシを使用し、手作業で内臓を取り除いた骨まで食べやすく仕上げた商品で、外食店などで人気だ。また同じく魚価高騰が続く中、「ひとくち白身天ぷら」が堅調に推移。加えて、メディカル給食では鶏肉以外の要望が多いことから投入した「菜 便利なごぼうと牛肉の甘辛煮」も順調。麺類では、今春リニューアルした「直火炒めお好みソース焼そば」が伸長傾向で推移。新商品として「直火炒め旨塩焼そば(藻塩使用)」も投入し、夏場の行楽需要などに向け拡販につなげる。

今期は、麺類やマグロ加工品、鶏肉加工食品などのカテゴリーを重点商品に位置付け、販促を強化していく。このうち、焼そばやちゃんぽん、ナポリタンなどの麺類とマグロ加工品は自社で製造しており、工場の稼働率向上に向け拡販を図る。また、引き続き伸長傾向にあるカットチキンなどの鶏肉加工品は、前期以上の数値に伸ばしたい。
課題はナフサ問題で、包材だけでなく、ガスなどの価格も高騰しており、今後も注視していきたい。
――セントラルキッチン(CK)向けの開発は
人手不足やコスト上昇を背景に、デリカ市場などでは、CKを導入する動きが高まっている。しかしながら各社によって、求められる保存性や加熱の仕方、モノを運ぶリードタイム、工場の製造ラインなど各々で異なる。よって、ユーザーそれぞれのニーズを詳細に確認することが必要と感じている。また、冷凍野菜などの例では、品質管理を徹底して製造している点など当社の優位性を訴求しており、拡販につなげていく。
――今後の方針について
外食・中食を中心とした商品開発や拡販に注力していく。また全国会議などの勉強会を積極的に実施しており、商談の成功事例などを共有化することで、営業担当者のレベル向上にも努めており、このような取り組みが、結果としてユーザーに貢献できることだと考えている。
当事業部は8つの部署からなる食材流通ユニットの一つ。ほかにフードサービス流通事業部やCVS事業部、生協・無店舗事業部などがあるが、それぞれが専門性を持つ中で、各担当のバイヤーと直接対話ができている。業務用の場合、直接お話しをするお客様は食品卸であるケースが多いが、大切なのは、その先に各業態のバイヤーやさらにその先に実際喫食されるお客様がいるということ。食品卸各社との連携を深め、場合によっては打ち合わせの現場に同席させてもらうなど、関係づくりの重要性も日々説いていく。
当社は水産原料を主体とする企業だが、焼そばに魚介をトッピングするなど、水産原料と業務商品の連携も深めていく。展示会では、これまでの縦割りではなく、融合したメニューの提案を行うなど、両者の拡販につながる施策も積極的に実施していく方針だ。
利益確保に向けてはアイテムの集約も進めている。今年3月のマルハニチロからUmiosへの社名変更を機に、終売したアイテムもある。業務用は少量多品種が課題だが、工場の生産効率や稼働率向上にも引き続き取り組んでいく。
物価高騰による消費減退が懸念されているが、外食を楽しむ傾向や、共働き世帯の増加から、「買って食べる」という中食需要も引き続き増えている。こうした背景もあり、業務用食材へのニーズはまだまだ伸長が期待でき、ソリューション企業として社内外で連携・共創しながら各業態のお役に立つべく、取り組みを推進していく。
〈冷食日報2026年7月9日付〉








