「メルシャン・ワインズ」初の国内製造「ダンデライオン」で新たな提案
メルシャンは8月25日、世界の造り手と協業するワインブランド「メルシャン・ワインズ」から、同ブランド初となる国内製造ワイン「同 ダンデライオン レッド」「同 ホワイト」を発売する。参考小売価格は610円。国内製造ワインでありながら、「輸入ワイン売場」のボリュームゾーン(500~999円)をターゲットに展開する戦略商品だ。
量販店の輸入ワイン売場で大きな比重を占める1000円以下の価格帯は、チリワインを中心に豊かな果実味や飲み応えを特徴とする商品が多い。一方で、この価格帯によくある濃厚な味わいを、「重たい」「飲み疲れる」と感じる消費者もいることから、「素直においしく、肩肘張らずに飲めるワインを提案したかった」と、同社マーケティング戦略部「メルシャン・ワインズ」担当小泉麻衣氏は話す。
同ブランドは輸入ワインを中心に展開してきたが、「納得感のある味わいと価格を実現するためには国内製造ワインが最適」と判断した。ただ、売場は明確に「輸入ワイン棚」を想定。既存の国産無添加ワインとはターゲットも役割も異なることから、輸入ワイン売場の新たな選択肢として定着を図る。
また、「フロンテラ」など既存ブランドとは味わいの方向性を変えることで、「シェアを奪い合うのではなく、週に1回しか飲まなかった方が、もう1本楽しむきっかけになれば」と小泉氏。目指すのは、ワイン市場全体の飲用機会を拡大することだ。
味わい設計では、スペイン・ヴィニマル社のワインをベースに、同社藤沢工場で自社発酵させたニュートラルなワインをブレンド。もともとの原酒が持つ豊かな果実味を生かしながら、酸味や渋味を穏やかに整えることで、「軽やかでありながら、飲み終わった後の充足感も感じられる味わいを目指した」。ほのかな甘さと爽やかな酸を残し、冷やしても楽しめる設計とした。また、アルコール度数は11%で、平日の食卓にも取り入れやすい軽快さを備える。
開発を担当した洞口萌実氏は、「ワインを飲みなれない方が感じる『渋い』『重い』というハードルを下げる一方、既にワインを飲んでいる方にも軽やかな楽しみ方を提案したい」と話す。
〈“飲み飽きないやさしい味わい”で飲用頻度向上、輸入量販市場を活性化〉
「ダンデライオン(たんぽぽ)」の名を冠した同品には、店頭で選ばれるための緻密なブランディングが盛り込まれている。「ワインを新しく飲んでもらうには、これまでのお作法から少し離れることも必要」と洞口氏。産地や品種名ではなく、親しみやすいモチーフで記憶に残る商品を目指した。

たんぽぽの花には「今日の幸せ」、綿毛には「明日への希望」の意味を込め、気持ちよく晴れた日の空を思わせる爽やかな空色のラベルで「心が晴れやかになる爽やかさ」を表現。「明日の幸せにつながる、やさしいおいしさ」というブランドコンセプトを視覚化すると共に、売場での存在感を高めた。「まず店頭で手に取ってもらうこと、そしてもう一度見つけてもらうことが重要」と洞口氏は話す。
容器は軽量で持ち運びやすい720mlのPETボトルを採用。当初は輸入ワインでPETが受け入れられるか懸念もあったが、品質感のあるラベルデザインと商品の世界観を作り込むことで前向きに受け止められたという。発売前から大手流通での採用が進み、受注は年内販売計画を上回るペースで推移している。
海外パートナーとの協働を軸としてきた「メルシャン・ワインズ」にとって、「ダンデライオン」は同社が描く価値を主体的に形にした新たな挑戦だ。「サニーサイド」や「カンティアモ」など、ワインの楽しさを広げてきた既存ブランドに続く第3の柱として育成する考え。同ブランドを通じ、日常に寄り添う新たなワイン需要を創出し、市場の活性化と裾野拡大につなげていく。







