「地豆腐協会」設立、国産大豆の振興・豆腐職人の育成・地豆腐の価値を発信

東田和久会長
東田和久会長

国産大豆の保全と振興、豆腐職人の発掘・育成や事業承継者への支援、地豆腐の価値を発信することを目的に「地豆腐協会」が設立され、5日に設立発表会が行われた。全国豆腐連合会の会長でもある東田和久氏が会長を務める。副会長兼監事長は相模屋食料の社長である鳥越淳司氏、事務局に磯貝剛成氏が務める。地豆腐協会の前身にあたる地豆腐倶楽部の石川伸氏、庄司憲一氏、山下浩希氏は相談役となる。マスター会員に北野広氏、大久保祐史氏、浅沼宇雄氏が就任する。なお鳥越氏は個人で加入する。一般社団法人として9月中にスタートする予定だ。

冒頭、東田会長があいさつし、地豆腐協会の前身となる地豆腐倶楽部について触れた。「国産大豆の自給率は5~6%でずっと推移している。しかし日本で豆腐屋をやっていて、日本の大豆を使わないことに疑問があった。そこで、国産大豆の豆腐を作り、食べてもらうという意気込みで地豆腐倶楽部を設立した。技術をもっておいしさを伝えられてはいたと思うが、もっともっと多くの人に伝えたいという気持ちがあった」と話した。

「一山越えたらいろんな味がある、そういう豆腐の世界を作っていきたいという想いがあった。その大豆の味を豆腐にする技術がなかったら、皆が似たりよったりになってしまう」と地豆腐協会の設立に至った想いを述べ、「美味しい豆腐を作る技術を自分だけで終わるのではなくて、未来に伝えていきたい」と力を込めた。

〇技と腕の継承が課題、大豆のこだわりと作り手の思いに焦点を当てる

続いて、鳥越副会長が、地豆腐協会の設立への想いや経緯、趣旨について説明した。

鳥越副会長は、相模屋食料の社長として、グループ会社 12社の再建に努めてきた。再建活動を通して、その土地の豆腐作りを学んでおり、「豆腐メーカーでは豆腐作りのトップに立っている自信があった」とするが、東田会長と出会い、「豆腐作りの求道の中で、私では届かないくらい上にいる達人がいると思い知らされた」と振り返る。町店(町の豆腐店)の技と腕に感銘を受けるとともに、世の中に広めたいと考えたのが設立のきっかけだ。

鳥越淳司副会長
鳥越淳司副会長

同時に、「技と腕の継承が課題に感じた。技と腕はその代で終わってしまっていることが多いのではと思った。また、後継者と話す中で、父の技や腕が格好いいことをちゃんと伝えることができていないと感じ、こういうところをバックアップしたい」と述べた。

消費者に豆腐の美味しさを伝えるため、鳥越副会長はワインのソムリエに注目した。鳥越副会長によると、ソムリエのコメントは「ブドウ」、「味わい」、「作り手の思い」の3要素で構成されているという。これを豆腐に置き換えたとき、「作り手の思い」の話があまり出てこないと指摘する。そこで、地豆腐協会では大豆のこだわりと作り手の思いに焦点を当てていくとの考えを示した。

技と腕の探究と継承をしていくために、同協会では「豆腐づくり道場」(仮称)を構想している。初級編として、日本豆腐マイスター協会で、地豆腐協会が監修した講座「豆腐マイスター プロフェッショナル」を受講してもらう。次に、座学編として、「豆腐づくり本格講座」を地豆腐協会で開催し、座学を受けてもらう。その後、豆腐職人のもとで修業したのち、その実力を披露する機会も設けるとした。

次に、磯貝事務局が、協会の概要を説明した。同協会のコンセプトのうち、「豆腐づくりに、人生をかける者たち」に集まって欲しいと話す。「豆腐屋には人生をかける価値があると、メッセージとして次世代に残したい」と語った。 活動内容は、会員が持ち寄った地豆腐を評価しながら見識や技を意見交換する「地豆腐協議会」、技と腕のある人が登壇し、技術を学ぶきっかけとする「地豆腐セミナー」、「大豆情報交換会議」などを検討している。

〈大豆油糧日報2026年9月8日付〉