キーコーヒー、京都の老舗「イノダコーヒ」を子会社化、喫茶文化の継承と相乗効果に期待

キーコーヒーは6月30日、京都の老舗コーヒー企業「イノダコーヒ」の株式を取得し、連結子会社化することを発表した。取得はアント・キャピタル・パートナーズが運営するファンドからで、議決権所有割合は94.2%に達する。株式譲渡の実行は7月30日を予定している。
イノダコーヒは1940年に創業し、現在は京都市を中心に喫茶店など9店舗を展開。喫茶文化を大切に守りながら、コーヒー豆の焙煎・販売も手がけてきた。一方、キーコーヒーは1920年の創業以来、「品質第一主義」のもとでコーヒー事業を展開し、近年は収益力の回復を課題に掲げて事業ポートフォリオの見直しを進めている。
両社は2021年に業務提携契約を締結し、家庭用コーヒー市場で「京都イノダコーヒ」ブランドを展開。キーコーヒーは同ブランドの価値強化に継続的に取り組むとともに、全国的な認知拡大を図っているという。
また、キーコーヒーは創業以来、喫茶文化の継承およびコーヒーの魅力発信を企業理念の柱に据えてきたが、イノダコーヒもまた、同様に長年にわたり喫茶文化を守り続けてきた。共通の価値観を持つ両社の連携により、さらなる相乗効果が期待される。
2025年4月には、共同ブランドによる直営店舗を九州で立ち上げるなど、すでに協業関係を深めている。キーコーヒーは今回の子会社化により、ブランド力や喫茶店運営のノウハウなどでシナジーを発揮し、さらなる企業価値の向上を図る考えだ。
なお、今回の株式取得による2026年3月期の業績への影響は軽微と見込まれている。