UCCがサステナブルなコーヒー調達を推進、生活者からの共感強化へコミュニケーションを刷新

UCCジャパンは6月24日、コーヒーの未来を見据えた生活者との新たな対話として、2030年までに「自社ブランド製品すべてを100%サステナブルなコーヒー調達に切り替える」目標のもと、新たな生活者向けのコミュニケーション施策を開始した。
「コーヒーのある、あたりまえをこれからも。」という新キャッチフレーズや、新キービジュアルなどを開発したもの。HPや店頭POPなどで展開する。
サステナブルなコーヒー調達とは、地球環境や生産者の人権に配慮し、持続可能な方法で生産された原料を選定する仕組みで、UCCは認証団体や商社を通じて支援金を還元し、生計改善や農事指導に活かしている。とりわけ、世界のコーヒーの約8割の生産を担う2500万の小規模農家の脆弱性や気候変動の影響を課題と捉え、包括的な調達基準を独自に定めてきた。
これまでも同社は、「地球・人・製品」の3軸を掲げ、環境配慮や強制労働・児童労働の排除、農家支援など26項目のチェックを行ってきたが、調達の重要性や意義が生活者に伝わりづらいとの指摘があったという。サステナビリティ推進室の中村知弘室長は、「これまでは調達の説明がやや専門的で、生活者の皆さんに“どんな良いことにつながるのか”が伝わりづらかった。だからこそ今回は、伝え方そのものを見直し、やさしく共感できる言葉やビジュアルに再構成した」と話す。

今回、製品パッケージのQRコードから遷移する特設ページや、カフェ・店頭での販促物を通じて、調達の背景をイラストとストーリーで直感的に伝える設計に刷新している。
ビジュアル面では、生産者・自然・生活者をハート型に表現し、「やさしさ」や「想い」を象徴化。森林破壊や水資源の枯渇、強制労働といったリスクを、視覚的に“気づける”内容に工夫した。また、環境4項目・人権3項目に分類し直すことで、理解のしやすさも向上させている。
2024年12月時点で、UCCブランドのサステナブル調達製品は53品目に拡大。2025年中には80品目を超える見通し。今後も生活者とともに、〝あたりまえの未来〟を守る歩みを進めていくとしている。