マルハニチロ 冷凍弁当サブスク「ナッシュ」に出資、食材供給のみならず強みを融合し可能性広げる

冷凍弁当定期宅配サービス「nosh」
マルハニチロは、手軽でヘルシーな冷凍弁当定期宅配サービス「nosh」の開発・製造・販売を手掛けるナッシュ(大阪市北区)に2022年1月7日より、資本業務提携を行っている。出資額は約2億6600万円。4月11日、公表した。また同日、ナッシュはマルハニチロのほか、マイナビ(東京都千代田区)との資本業務提携および、新工場建設についても発表している。

ナッシュは2016年6月創業。「社会全体を健康に」という企業理念のもと、専属シェフ監修による“手軽でおいしく健康的な食事”を自社製造し、インターネットを中心に販売。糖質・塩分を徹底管理した冷凍弁当のサブスクリプションサービスを展開しており、生活習慣病の予防・改善を目指す人や、負担の少ないダイエットを目的とする人、調理に時間をかけられない人など幅広い層から支持されている。定期宅配サービス「nosh」は、2018年のサービス開始後3年半で販売数が累計約2500万食(2022年3月末時点)に達し、近年、巣ごもり需要とも相まって大きな飛躍を遂げ、今後サービス内容の一層の向上はもとより、対象顧客層を拡げることで、さらなる需要拡大も見込まれるとしている。

マルハニチロは2020年から、水産物を皮切りに、畜肉、農産品などナッシュの企業理念・コンセプトに合致する食材提供を通じて協業を進めてきていたという。今般の出資により、食材供給面での一層の関係強化はもとより、両社の強みを融合することにより、さらなるサービス向上や新たな価値提供の可能性が広がることを期待する。

さらに、インターネットマーケティングの領域で、豊富な技術とノウハウを有するナッシュとの協業も予定しており、マルハニチロにとってオープンイノベーションの観点からも、新たなサービスの創造を期待するとしている。

ナッシュ側はマルハニチロとの資本業務提携について、「マルハニチロが有する原材料の調達網や食品製造に対する幅広い知見と経験、および冷凍食材の物流に関する知見や設備を活かし、noshの製造コストや物流コストの低減、さらなる製品品質の向上を目指すため」に行い、加えて「相互のリソースを活用し、業務効率化を目指すとともに新規アイテムやサービスの導入に向けて検討を進めていく予定」としている。

〈マイナビもナッシュと資本業務提携、設置型社食サービスでも連携〉
また、ナッシュは11日、マイナビ(東京都千代田区)との資本業務提携も発表した。

ナッシュによれば、マイナビとの連携は2019年1月に出資を受けて以来段階的に進めてきたという。具体的には、まずナッシュが行っている事業者向けサービスの商流検証を、マイナビの投資セクションの協力にて実施し、法人売上獲得を創出。その検証結果をもとに、連携の範囲を事業単位に拡げ、コラボレーションサイトの構築など、マイナビが有する幅広い顧客網を活かしnoshのサービスを提供していく取り組みを進める予定としているという。

また、設置型社食サービス「office nosh」をマイナビグループで試験的に導入し実証を進めるなどの取り組みも行っており、今回の資本業務提携契約の締結を機に、より一層連携を強化するという。

〈ナッシュ、生産能力4倍の新工場を尼崎に建設、今夏稼働〉
また、ナッシュは2022年夏の稼働開始に向け、最新設備を導入した自社製造工場を兵庫県尼崎市に建設中だという。同社によれば、「nosh」の製造については、現在も自社工場で行っているが、生産能力が限られ、今後想定される需要増に対応することが困難になることが予想されるため、現工場の約4倍となる月間生産能力が最大約650万食(21.6万食/日)の新工場の建設を推進している。

新工場は製造能力の増強のみならず、最新鋭の設備を導入することにより、自動化や省人化を達成することで製造原価の低減、製造品質の均一化も可能にするという。また、国際的な品質認証の取得を前提とした品質管理システムの導入も予定し、さらなる製造品質向上も目指すという。

◆ヘルシー・糖質に配慮した食事宅配サイト「nosh」

〈冷食日報2022年4月12日付〉