松屋銀座の冷凍食品売場「ギンザフローズングルメ」20品新発売 京都名店のハモ鍋や浅草グルメなど、卸販売も実施

松屋銀座「ギンザフローズングルメ」商品
松屋銀座「ギンザフローズングルメ」商品

松屋銀座は6月16日、自社で運営する冷凍食品売場「ギンザフローズングルメ」の新商品20種類を7月5日に発売すると発表した。

今回は浅草の老舗料理店など14ブランド(うち松屋銀座初登場は13ブランド)の商品を追加する。桜鍋やウナギの蒲焼、ハモ鍋、カレーなどを拡充する。また、7月中旬には「明治屋ストアー」の都内2店舗でもコーナーを設けて一部の商品を販売する。松屋銀座では2024年2月までに冷凍食品の売上1億円を目指しており、達成に向けて卸販売も今後は強めていくという。

「ギンザフローズングルメ」は2022年8月31日にオープンした、松屋銀座で運営する冷凍食品売場。現在は約55ブランド350種類の商品を扱っており、売上は計画を50%ほど上回る5200万円を達成した。一般の冷凍食品売場よりも高価な商品を扱っており、「銀座 吉澤」の『松阪牛 シルクハンバーグステーキ』(145g、1383円。以下すべて税込)が最も売れている。他にも3000円ほどの商品や、1万円以上の商品も支持されているという。

ギンザフローズングルメの冷凍食品を担当している食品部の今井克俊営業一課長は、昨今の状況について「店舗に来てくださるだけでなくECでの注文も活発で、誰かに送るギフトとしても利用いただけている。コロナが落ち着いた今でも安定して推移している」と話す。

今回の新商品は、銀座の有名店だけでなく、浅草にある店舗や、京都の名店、都内の有名店などの料理も新たに販売する。松屋は浅草にも百貨店を出店しており、そのつながりから浅草の店舗の料理を今回追加する。

創業100年以上の「桜なべ中江」は『桜なべ』(1人前、4320円)を、江戸時代から続くウナギ料理専門店「駒形前川」は『うなぎ 蒲焼』(1人前、5200円)を、それぞれ発売する。また、人気店「スパイス スペース ウガヤ」からは『キーマカレー』(2人前、2700円)を販売する。「駒形前川」の担当者は「冷凍のために調理方法を変え、うなぎのふっくら感や味は店舗とそん色ない状態に仕上げられた」と話す。

また、京都の有名店「京懐石 美濃吉 竹茂楼」からは、独自の調理方法で仕上げた名物の『鱧(はも)鍋 すっぽん出汁仕立て』(2人前、1万800円)や『鱧寿司』(2人前、6480円)、『鰻茶漬け』(2人前、6480円)などを投入する。

「京懐石 美濃吉 竹茂楼」の担当者は「遠方の方にも味を届けたく冷凍で商品を開発し、ご縁があって販売に至った。店舗と変わらない味を再現できている」と語る。

他にも「あひ鴨一品鳥安」や「アンビグラム広尾」といった都内の名店や、「レストラン アラスカ」などの地方の人気店も参加している。

〈7月中旬から「明治屋ストアー」でも一部商品を販売へ〉

松屋銀座は2024年2月までに冷凍食品の売上1億円の達成を目指しており、そのための取り組みとして新たに卸売事業を開始する。まずは7月中旬に「明治屋ストアー」の広尾店と二子玉川店に「ギンザフローズングルメ」のコーナーを設け、銀座の名店の料理や銀座アスターの商品など約20品を販売する。

明治屋では「ピカール」や機内食の商品など、一般的な店舗よりも高価な冷凍食品の品ぞろえを充実させており、売上は着実に伸長しているという。磯野太市郎社長は「今井さんから卸もやりたいとのお話を頂き、縁があって今回取り組む。地方の百貨店に入っている店舗でも導入したい」と語った。

松屋銀座の今井営業一課長は「高価な商品だからこそ、一度でも美味しくないと思われてしまったら再度購入していただくのは難しい。衛生面などにもこだわりながらも、店舗の味を再現した商品を提供できれば」と語った。なお、卸売は3年で明治屋ストアーなど10店舗での導入を目指している。

〈冷食日報2023年6月19日付〉

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昭和47年(1972年)5月
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昭和47年(1972年)5月
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