モランボン、畜産や韓国料理でのノウハウ生かした冷凍餃子を展開

〈冷凍キンパはオリジナリティある素材で本場の味を追求〉
焼き肉のたれや餃子の皮、韓国料理を強みとするモランボンは、長年培ってきた畜産や韓国料理でのノウハウを生かし、近年は冷凍食品事業にも注力している。
開発本部マーケティング開発部の山畑幸助課長と同 コミュニケーション開発部の白川麻香氏に話を聞いた。

――今秋新商品の商品特徴について。
当社では9月1日から「粗挽き肉とザク切り野菜の肉餃子」「具ぎっしりチャプチェキンパ」の2品を発売している。
「粗挽き肉とザク切り野菜の肉餃子」は、餃子の皮のトップメーカーである当社の手作りのノウハウを詰め込んだ冷凍餃子だ。国産豚肉100%と国産野菜を使用し、ボリューム感のある大粒サイズに仕上げた。そうざい半製品の生餃子で、主に畜産売り場で展開している。味付けは当社調味料「手作り餃子の素」を踏襲した。製造は冷凍餃子メーカーの信栄食品が担う。
「具ぎっしりキンパ」シリーズは、具がぎっしり詰まった本格キンパをシリーズ展開しており、新商品含め3品をラインアップする。
新商品「具ぎっしりチャプチェキンパ」は、当社調味料「韓の食菜」シリーズのチャプチェの味付けを踏襲した。製造は韓国風キンパなどを主力とする崔さんのお店が担う。

――主力商品の動向や販売戦略について。
「粗挽き肉とザク切り野菜の肉餃子」は、冷凍餃子の市場規模が大きいこともあり、想定以上に配荷が進んでいる。
好調要因の一つに、当社製品との関係性が強い畜産売り場で展開できていることがある。日配の冷凍餃子は蒸し餃子が主流だが、同品は生餃子にこだわっており、生という表現や鮮度の良さが評価されているのでは。
商品開発の背景には、精肉売り場の活性化に貢献したいという意図もある。たとえば、忙しい平日は冷凍餃子を使ってもらい、休日など時間に余裕がある時には餃子の皮を使って餃子を手作りしてもらう。そういった使い分けの中で、平日でも手作りの美味しさを味わってもらいたいという思いで開発を進めている。
ターゲット層は、簡便需要の高い30~50代の共働き世帯を想定している。
価格は希望小売で530円ほどに設定していて、これは生餃子としては中間の価格帯になる。24年8月から発売している「大粒肉餃子」とセットにして2パックで1,000円といった売り方をされているスーパーも多いと聞いている。
「具ぎっしりキンパ」シリーズは、現地でキンパを見て回った際、日本市場に出回っているキンパより色とりどりで具がしっかり入っていたことがとても衝撃的で、それをきっかけに、本場の味を伝えられるようなキンパの開発に着手したという経緯がある。
これをふまえ、「具ぎっしりチャプチェキンパ」の具材にはさまざまな工夫を凝らしている。
たとえば、一般的な冷凍キンパは太巻き用の卵を採用しているところが多いが、当社では現地の韓国料理屋にならい錦糸卵にしている。人件費や手間はかかるが、より本格的な味わいや見た目を表現できている。
加えて、一般的にはほうれん草を使うところを「韓の食菜」のレシピにならってピーマンにしている。本場の味を追求するうえで、こういったオリジナリティは大切にしていきたい。
――今後の展開について。
冷凍餃子については、味づくりと皮という当社のブランドを生かし、まずは「粗挽き肉とザク切り野菜の肉餃子」と「大粒肉餃子」の2品で売り場での定着を目指す。
冷凍キンパについては、まだ市場規模が小さいこともあり、今は市場や商品を育てていく段階だと考えている。今回のチャプチェのように実績がある商品の認知度を生かした展開なども視野に入れながら、今後もラインアップを増やしていきたいと思っている。
〈冷食日報2025年10月16日付〉