海外ブランドビール好調、ワインはチリ3ブランドが40万c/s超

本紙が毎年集計している2014年の輸入酒銘柄別ランキングがまとまった(資料面に順次掲載)。ここでは酒類別に昨年を振り返ってみる。

輸入ビールは通関の数字では7%減となったが、海外ブランドビールは業務用市場の好調を受け、2割増となった「カールスバーグ」をはじめ、「ハイネケン」「バドワイザー」「バスペールエール」など主要銘柄の半数以上が前年を上回った。「コロナ」の減少は、最需要期の欠品の影響。上半期は8%増で推移していたが、約9万c/sの機会損失となった。

ベルギービールも通関数量では2ケタ減だが、「ヴェデット」13%増をはじめ、「ステラアルトワ」7%増。「ヒューガルデン」6%増、「シメイ」4%増と着実に市場を広げている。アジアビールブランドトップの「シンハー」も微増。韓国は、「バーリアル」「シャインモルト」をのぞき、軒並み減少。麦芽発泡系新ジャンルも、わずかだが初めて前年を割り込んだ。中国「青島ビール」は昨年6月、日本ビールから池光エンタープライズに販売権が移行した。

ワインでは、長年輸入ワインのトップブランドだった「カルロロッシ」が前年を大きく割り込み、国内瓶詰の「フランジア」がトップとなった。3位から5位は通関数量でも伸び率がトップのチリワイン。なかでも「アルパカ」を含む「サンタヘレナ」は前年の2.5倍規模となり、チリワインブランド2位に入った。毎年2ケタ増で拡大してきた「コノスル」も14%増で、40万c/s超。以下、「レッドウッド」「グラン・シェ・ド・フランス」「ラデラ・ヴェルデ」(国内瓶詰)、「アルマデン」「サンライズ」「イエローテイル」の順。

昨年好調だったスパークリングワインは、イタリア「マルティーニ」が49%の大幅増で2位になった。同じくイタリアの「ガンチア」も8%増。上位ブランドで伸び率が大きいのはやはり価格優位性のあるチリで、「バルディビエソ」15%増、「サンライズ」9%増。アルゼンチンも好調で、スティルワイン同様、南米2カ国がシェアを伸ばしている。

シャンパーニュはトップブランドが数字を公表していないが、景気回復を背景に、「クリュッグ」「ヴーヴクリコ」「ルイナール」「ペリエ・ジュエ」などが2ケタ増、その他の上位ブランドも増加した模様。

ウイスキーカテゴリーでは10%増となった「ジムビーム」が1位、「ジャックダニエル」が2位で、共に20万c/s超となった。3位以下は、「バランタイン」「フォアローゼズ」「アーリータイムズ」「シーバスリーガル12年」「ホワイトホース ファインオールド」と続く。

ハードリカーでは4年連続2ケタ増を記録したラムのトップブランド「バカルディ」が前年割れ。ジン、ウォッカのトップブランド「ビーフィーター」と「スミノフ」も昨年を若干下回ったが、テキーラのトップブランド「クエルボ」は、前年の6%増を上回る15%増。

リキュールでは、「ふんわり鏡月」が158万c/sで圧倒的なトップ。韓国産リキュールの通関数量も前年比2.6倍と、同品発売前の2012年比では13倍規模に拡大した。リキュール上位ブランドで伸び率が高いのは、「デカイパー」44%増、「イエガーマイスター」56%増など。

RTDでは、「スミノフアイス」が前年の2割増に続き今年も18%増と好調だった。