大型買収と資本業務提携が加速-西・南日本流通

中四国、九州では大型買収と資本・業務提携の動きが加速している。今年の6月、イズミ(広島)がユアーズ(同)を9月1日付で買収すると発表した。ユアーズは広島、岡山、山口、福岡にSMを64店展開しており、今年2月に連結子会社化したスーパー大栄(福岡)に次ぐ2件目の大型買収となった。ユアーズが傘下に入ることで、イズミの連結売上高は7,000億円規模になり、西日本でかなり存在感を高めている。2社の買収によって一気に岡山から福岡までのSM網を獲得することに成功した。

一方、7月1日付で丸久(山口)とマルミヤストア(大分)が経営統合し、持ち株会社リテールパートナーズを発足した。九州・福岡では13年末に西鉄ストアとマルキョウが資本・業務提携を行っているが、背景にあるのは、コスモス薬品(福岡)やトライアルカンパニー(同)、大黒天物産(大黒天物産)など強力なディスカウンターへの対抗策だ。引き続きこれら企業の出店ラッシュによる大幅伸長、新規エリアへの 

進出が目立っており、各エリアのSMにとっては大きな脅威となる。

自主独立で健闘を見せるのはハローズ(岡山)だ。08年に香川に出店して四国に進出以後、11年に愛媛と徳島に、今年2月には姫路市に兵庫1号店を出店。エリアを横断しての積極展開に注目が集まる。ハローズのように単独で生き残りの道を選ぶことができない地方SMは、今後は規模拡大を進めるイズミの傘下に入るか、丸久とマルミヤストア、西鉄ストアとマルキョウのようにタッグやスクラムを組み、独自の枠組みを作るか、という動きになっていきそうだ。

イオングループの動きでは、ダイエーは首都圏と京阪神に活動領域を特化するため、北海道・九州および本州地域で展開するGMS事業やSM事業の一部の運営をイオングループ各社に承継。九州地区では9月1日付で、マックスバリュ九州が九州地区のSM14店舗を、イオン九州が24店舗の事業運営を承継する。

(資料面にスーパーマップを掲載中)