全日本大学対抗ミートジャッジング競技会、大学対抗部門は北海移動大学が3連覇

大学対抗部門で3連覇を果たした北海道大学のメンバー
大学対抗部門で3連覇を果たした北海道大学のメンバー

〈新潟大が初入賞、個人総合部門は北大2年生の熊谷好望さん〉

全日本大学対抗ミートジャッジング競技会(日本ICMJ、実行委員会会長:河原聡宮崎大学教授)の第16回大会が2月28日から3月1日まで、東京都中央卸売市場食肉市場、国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた。

新型コロナウイルス感染症の影響で昨年は一部オンラインで実施されたが、今回、5年ぶりの完全対面での開催となった。全国から13大学・42人が競技に参加した(45人がエントリー)。講演や勉強会、セミナーを踏まえ、プログラム最終日に開かれた競技会の結果、大学対抗部門では北海道大学が3年連続通算7回目の優勝を獲得した。また、個人総合部門の第1位は北海道大学農学部畜産学科2年の熊谷好望さんが輝いた。熊谷さんは牛枝肉部門で2位、豚枝肉部門で1位を獲得し、牛枝肉、豚枝肉、部分肉・精肉の3部門合計900満点のうち772点の好成績を挙げた。表彰式後のレセプションで熊谷さんは、「勉強してきた内容・成果を結果に残すことができ、とても嬉しい。指導していただいた先生・先輩方に改めて感謝したい」と、若者らしい満面の笑みを見せた。熊谷さんら個人総合の上位5人は、7月に豪州で開かれる大学対抗ミートジャッジング競技会に日本代表チームとして出場する。このほか大学対抗部門では、対面競技で初参加となる新潟大学が3位となった。

プログラム初日と2日目、学生たちは青少年総合センターで特別講演と勉強会、食肉産業セミナーを受講した。特別講演では日山畜産の村上聖社長による講演と、食肉産業セミナーは8団体・企業で分科会が開かれ、最終日の競技会では、午前8時10分から牛枝肉部門、豚枝肉部門、部分肉・精肉部門の3部門で競技が行われた。このうち、牛・豚枝肉部門の競技では、用意された枝肉(4個体)を10分程度観察し、歩留りや肉質(脂肪交雑、肉の色、脂肪の色など)を評価、枝肉の順位付けを行った。部分肉・精肉部門では、用意されたカット肉の名称を記述式で解答した。

競技会終了後の表彰式では、来賓として日本食肉格付協会の大野高志会長、東京食肉市場の倉林康樹専務取締役があいさつした。その後、河原会長が「皆さんがここまで一生懸命に勉強してきて、本日、しっかりと結果を出せたことは素晴らしいと思う。残念ながら、得点が届かなかった方も、良い体験ができたと思ってもらいたい。皆さんのグループ・リーダーを務めた人はみな競技会のOB、OGで、学生たちも実行委員会にいろんな形でコミットしてもらっている。我々としては、競技を通して食肉のことに関心を持ってもらいたい、勉強のきっかけにしてもらいたいという思いがある。そして、食肉に限らず、食に関わる業界が広範にわたること、さまざまな仕事があり、それで世の中が動いていることを学んでほしい。これからも、食肉産業について、生産から流通まで幅広く勉強してもらい、将来、この業界を盛り上げていく人材に育っていってほしい」と学生たちにエールを送った。

各部門の入賞者は次の通り(敬称略)

[大学対抗部門](900点満点)
▽優勝:北海道大学(719.0点)
▽準優勝:帯広畜産大学(706.3点)
▽第3位:新潟大学(667.7点)

[個人総合部門](牛枝肉、豚枝肉、部分肉・精肉部門の合計900点満点)
▽1位:熊谷好望・北海道大学2年(772点)
▽2位:藤井琴未・宮崎大学2年(748点)
▽3位:角田真歩・帯広畜産大学3年(730点)
▽4位:石橋果歩・鹿児島大学3年(727点)
▽5位:岡本春花・帯広畜産大学3年(712点)

個人総合部門入賞の上位5人
個人総合部門入賞の上位5人

[牛枝肉部門](400点満点)
▽1位:石橋果歩・鹿児島大学3年(321点)
▽2位:熊谷好望・北海道大学2年(315点)
▽3位:角田真歩・帯広畜産大学3年(308点)

[豚枝肉部門](300点満点)
▽1位:熊谷好望・北海道大学2年(287点)
▽2位:藤井琴未・宮崎大学2年(281点)、岡本春花・帯広畜産大学3年(281点)

[部分肉・精肉部門](200点満点)
▽1位:氏家舜介・北海道大学2年(190点)
▽2位:角田真歩・帯広畜産大学3年(185点)、森脇彩香・帯広畜産大学3年(185点)

[グループ対抗部門](所属大学を超えた競技グループを構成する出場者の平均点:900点満点)
▽優勝:Dグループ(658.7点、北海道大学3年:佐藤桃、帯広畜産大学3年:森脇彩香、北里大学3年:西岡慧、日本獣医生命科学大学2年:諸江実咲来、明治大学3年:大槻巧真、東京農業大学3年:酒井碧衣、日本大学2年:平川大輝、宮崎大学2年:藤井琴未)

〈畜産日報2024年3月6日付〉

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昭和35年(1960年)3月
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