「コカ・コーラ」大幅伸長を継続、冬CPは好評リボンボトルで最大規模―コカ・コーラシステム

リボンボトルを紹介する小林ディレクター
コカ・コーラシステムのコーラカテゴリーが好調だ。今年1~9月累計で販売数量シェアは前期比1.2%増、販売金額シェアも同2.3%増と大きく伸長している(インテージSRI)。日本コカ・コーラ社マーケティング本部炭酸カテゴリーコカ・コーラTMグループの小林香予ディレクターは「長らく担当しているが、これほどの数字はあまりない。すごく良い年になっている」と話す。今年10月30日から展開している「コカ・コーラ ウインターキャンペーン2017」は、昨年好評だったリボンボトルを進化させた戦略で、炭酸飲料市場を冬も盛り上げる考えだ。

昨年11月に導入された「コカ・コーラ」のリボンボトルは、ラベルがリボンになる革新的なアイデアで成功を収めた。昨年のウインターキャンペーン時の「コカ・コーラTM(レッド)」500mlPETの販売本数伸長率は、全国で約20%伸長。消費者の反響が大きく、リボンにする動画をソーシャルメディアに載せるユーザーが続出し、その情報が瞬く間に世界中に広がったという。小林氏は「リボンボトルは、ボトラー社も含めシステム一丸となって取り組んだチャレンジであり、クリスマスや炭酸第2の需要期である冬場のキャンペーンとして大きな成果となった」と振り返る。

今年のウインターキャンペーンは、さらに活動を進化させ、昨年4割弱だったリボンボトルの認知率をさらに高めるため、(店頭)資材や広告に取り組むとともに、体験率やトライアル率を上げるためアタリくじ付きにした。当選者の総計100万名には、辻口博啓パティシエ監修のオリジナルケーキが贈られるという冬では最大規模のキャンペーンだ。また、リボンボトルのラベルを改良した「コカ・コーラゼロ」の露出拡大と、「同ゼロカフェイン」を導入することにより、「コカ・コーラ」のワンブランド戦略も推進していく。

小林氏は、「キャンペーンストーリーは『リボンボトルが帰ってきた!今年はアタリくじ付き』で、年末の時期、親しい友達、家族、恋人たちと一緒にいることが増える時期に、感謝やサプライズも込めて、親しい人に『コカ・コーラ』を贈って楽しい時間を共有していただければ。『冬はリボンボトルが帰ってくる』と思っていただけるように定着させたい」と語った。

〈「い・ろ・は・す」 購入頻度拡大に注力〉

「い・ろ・は・す」ブランドは、昨年まで好調な実績だったが、今年は他カテゴリーへの流出や天候不順もあって市場同様にマイナスとなっていた。しかし、秋冬時期は消費者ニーズを捉えた施策によって売り上げ成長を図る。

その一つが、ブランド全体の購入頻度を促進するマイレージプロモーションだ(11月6日から18年1月28日まで)。これは、小型PET製品のラベルについているバーコードを必要ポイント分(48ポイント、72ポイント)集めて応募すると、全国6カ所の採水地にちなんだオリジナルスイーツが必ずもらえるもので、店頭では「い・ろ・は・す」のまとめ買いが目立ってきている。なお、抽選で500名に間伐材を再活用したグッズプレゼント(折り畳み式ペアチェアセットなど)も、同社の新たな取り組みだ。

そして、購入者数や購入者層の拡大に向けて、9月下旬からは今年2月に九州で限定発売した「い・ろ・は・すあまおう」を全国展開し、10月9日にはブランド初のホット製品「同焼きりんご」を冬季限定で発売した。さらに、冬の健康ニーズに向けて、11月6日から投入したビタミンB群入りの「同たっぷりれもん」は、ユーザーの反応がよく、季節の新定番になる可能性もありそうだ。

同本部ウォーターグループの高木直樹グループマネージャーは「今年は、市場同様に『い・ろ・は・す』もマイナスだが、第4四半期はプラスにしていく。天然水は、特に20代のシェアを回復することと、購入頻度を上げることに取り組んでいく」と話した。

〈食品産業新聞2017年11月20日付より〉

「い・ろ・は・す」の戦略を紹介する高木グループマネージャー

「い・ろ・は・す」の戦略を紹介する高木グループマネージャー