〈高品質、バラエティー展開で女性にも支持〉
ローソンのカフェブランド「マチカフェ(MACHI cafe)」は、2011年1月の導入以降、7年連続の伸長となり支持を拡大している。

コンビニ大手の中で最も早く本格カフェを展開した。マチカフェは、コンビニコーヒーとしては珍しい「手渡し」と、様々な品揃えの「バラエティー」が特徴だ。主力のコーヒーは、コーヒー豆の農園・生産地域100%指定などの取り組みにより高い品質がウリ。また、エリアごとに産地を指定したミルク(生乳100%)を使用するカフェラテのほか、カフェインレスや紅茶などがあり、バラエティー商品はコーヒーを上回る利用状況だという。女性の利用者が多いことも、他のコンビニコーヒーとは異なる特徴だ。

同社商品本部デリカ・FF商品部MACHI cafe担当シニアマーチャンダイザーの山田英臣氏に、「マチカフェ」の状況とこだわりを聞いた。
ローソン商品本部デリカ・FF商品部MACHI cafe担当シニアマーチャンダイザー・山田英臣氏

ローソン商品本部デリカ・FF商品部MACHI cafe担当シニアマーチャンダイザー・山田英臣氏

〈“みんなと暮らすマチ”を幸せにするカフェ目指す〉
「マチカフェ」の導入は、「“みんなと暮らすマチ”を幸せにしようということを本気で話し合った」(山田氏・以下同)ことが背景にある。企業理念の『私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。』の実現に向けて議論した結果、身近なコンビニで本格的な商品を提供する「カフェ」の実現を目指したという。

「いわゆるコンビニコーヒーではなく、カフェという考え方である。コーヒーの対面販売で商品を手渡しすることで会話が生まれ、お客様との絆を強くできるのではないかと考えた。最近では都市部の一部店舗でセルフ式も導入しているが、お客様との絆づくりは大切にしていきたい」とする。

身近なコンビニで本格的な商品を提供

身近なコンビニで本格的な商品を提供

〈豆の「品位」にこだわり上質なコーヒーを提供〉
「マチカフェ」の商品には、それぞれ品質へのこだわりがある。その中でもカフェとしてメーンとなるコーヒーは、豆の「品位」にこだわりがあり、それはコーヒー豆の農園・生産地域を100%指定していることにも表れている。そのため、常に安定して高い品質のコーヒーが提供できる。

農園のこだわりでは、「レインフォレスト・アライアンス認証」(非営利環境保護団体による認証)の取得農園のみから仕入れていることも特徴だ。「レインフォレスト・アライアンスは、環境や労働者に配慮した認証と捉えられがちだが、実は100もの厳しい検査項目があり、認証を得る過程で必然的に豆の品位は高まる。欧米では、通常の豆より価格が3割ほど高い」という。

さらに、消費者のコーヒーへの関心が高まり、サードウェーブコーヒー(産地や淹れ方にこだわる潮流)の流行など、最高品位への需要も生まれたことから、シングルオリジンコーヒーシリーズの数量限定販売を2014年から開始した。今年2月には、パナマのベルリナ農園のゲイシャ種の若木からとれる完熟豆を使った「パナマベイビーゲイシャ」を発売。専門店で1000円超の商品を、ローソンでは500円で提供している。身近なローソンで「サードウェーブコーヒー」が手頃な価格で買える驚きの取り組みといえる。

また、「マチカフェ」導入当初から提供している「カフェラテ」もこだわりがある。もともと、ローソンのチェーン名とミルク缶のロゴは、1930年代に米国オハイオ州の牛乳販売店「ローソンさんの牛乳屋さん」が発端でもあり、同社のミルクへのこだわりは強い。「カフェラテ」で使用するミルクは、全国を8エリアに区分し、産地を指定した生乳100%使用ミルクを使用する。

左からホットコーヒー、アイスコーヒー、ほうじ茶ラテ、翡翠レモンジャスミンティー

左からホットコーヒー、アイスコーヒー、ほうじ茶ラテ、翡翠レモンジャスミンティー

〈「コーヒーだけを提供するのがカフェじゃない」〉
また、他の大手カフェチェーンがそうであるように、カフェがコンセプトの「マチカフェ」では、「コーヒーだけを提供するのがカフェじゃない」ことも意識する。

7月3日に発売したリプトンとのコラボ商品「リプトンフルーツインティー」は、350円の少し高めの価格設定ながら、2週間の販売分として見込んでいた40万個がたった2日で完売した。リプトンが展開する専門店で1000円する商品が、身近なローソンにおいて350円で買えるインパクトは強く、SNSによる情報伝達の早さも相まって「予想を超えた驚きの早さ」での完売となった。なお、同商品は、7月31日から発売再開を予定している。

リプトンとのコラボ商品「リプトンフルーツインティー」

リプトンとのコラボ商品「リプトンフルーツインティー」

〈Mサイズ2杯分の「メガサイズ」好調、「フローズン」は30~50代女性に支持〉
夏前に発売した「アイスほうじ茶ラテ」「翡翠レモンジャスミンティー」も早期に予定数量を完売した(「アイスほうじ茶ラテ」は9月に再発売)。「過去の販売動向を参考に数量を決めているが、今夏は予想を上回る状況だ」という。

夏場の新商品としては、柑橘系飲料の人気を背景に、7月31日に「レモネード」を発売する。今後はさらにコーヒー・紅茶以外の商品の充実も図っていく方針だ。

「“マチカフェ”は導入当初から、缶コーヒー需要の移管ではないと考えており、最初からカフェラテを導入した。カフェチェーンや清涼飲料でメニューの多様化が進んでおり、先見の明はあったのではないか。マシン選定時からバラエティー豊かな商品の提供を念頭に置いていた」と振り返る。

なお、直近では、猛暑もあり、Mサイズの2杯分の量が楽しめるアイスの「メガサイズ」(カフェラテ、コーヒー、ミルクティー、アールグレイティー)を中心に販売が好調に推移している。「オフィスからお近くのローソンまで何回も足を運ぶよりも、メガサイズを購入して、自席で時間をかけて飲むというニーズが高まっている」としている。

また、「マチカフェフローズン」の状況について、同社の水谷香菜マーチャンダイザーは、「30~50代女性のお客様に特にご支持をいただいている。昼間や夕夜間に、ご自宅や出先などで、ドリンク感覚で召し上がっていただくことを想定した。販売状況としては、昼間および夕夜間、週末の購買が多い状況」としている。

〈食品産業新聞 2018年7月26日付より〉