カゴメは、地域で子供への食事提供や居場所作りに取り組む、子ども食堂への助成活動を事業内容とする、一般財団法人「カゴメみらいやさい財団」を10月1日設立した。

運営費の確保に悩む子ども食堂に対して、食材・備品・設備などの購入費として、1件当たり限度額50万円、年間3000万円を助成する。原資は自己株式94万株を、第三者割当処分を行い、その配当金を充てる。助成開始は来年4月を予定、11月1日までに財団HPを開設すると共に、助成金申請を受け付ける。

同社が10月1日に行ったオンライン会見で、同財団設立発起人の寺田直行会長は、設立主旨について「きっかけは、キユーピー様が『みらいたまご財団』を設立され、子ども食堂などを支える姿に賛同し、我々も力になりたいと考えたことだ。また当社の行動規範では最初に『共助』を掲げており、この具体的な活動の一つとして位置付けている」と説明した。

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寺田会長、山口社長

カゴメ 寺田会長、山口社長

 
続けて「子どもを取り巻く食生活においては、貧困による栄養バランスの悪化、孤食による家族・地域とのつながりの希薄化といった社会問題が顕在化している。これらはまさに、共助の精神無くしては、解決できない問題だ。当財団は『子どもに笑顔を、地域に笑顔を』という理念の下、食材の調達や施設の整備など、さまざまな課題を抱えている子ども食堂が、安心して活動を続けられ、少しでも活動回数を増やせるよう、助成金給付を通じて、支援させていただきたい」と述べた。
 
次に同財団理事長を務める山口聡社長は、これまでの同社の社会貢献活動を振り返った上で、子ども食堂の現状について、「子ども食堂は年々増加し、2019年には全国で3700以上存在すると言われているが、地域によっては数が少なく、活動頻度も運営資金やスタッフの確保が難しいことなどから、全体の約5割が月1回程度の開催にとどまっている。子ども食堂の持続的な活動にはさまざまな課題があるが、中でも運営費の確保は大きな悩みとなっており、その設立においても資金不足は課題となる」との認識を示した。
 
その上で「当社は貧困や孤食など多様な境遇にある子どもたちへの食事の提供、安心できる居場所作りという重要な役割を担う、子ども食堂が活動を継続でき、少しでも活動の頻度を増やせるよう、お役に立ちたいと考えてきた。自助、公助だけでは解決が難しい課題に、共助の精神をもって、地域社会と共に取り組んでいきたいと考え、財団を設立することとした。食育や子供の貧困対策など、食に関わる社会貢献活動に取り組む皆様への助成活動を行っていく」と述べた。
 
〈食品産業新聞 2020年10月5日付より〉