未来の研究者の卵である中高生にアサヒ飲料が研究助成、採択された5チームがオンライン発表会を実施

オンライン発表会の様子
アサヒ飲料は、中高生を対象とした未来の研究者の卵たちをサポートする研究助成プログラム“サイエンスキャッスル研究費2020”(運営:リバネス社)に参加している。その中で、「アサヒ飲料賞」に採択された山形県立村山産業高等学校、福島県立福島高等学校、福島県立安積高等学校、洗足学園中学高等学校、愛媛大学附属高等学校の5チームの中高生による研究成果発表会が12月20日にオンライン形式で開催された。
(上段左から)村山産業高校、福島高校、安積高校、(下段左から)洗足学園中学高等学校、愛媛大学附属高校

(上段左から)村山産業高校、福島高校、安積高校、(下段左から)洗足学園中学高等学校、愛媛大学附属高校

 
この助成プログラムは、研究を通して社会で活躍する、未来のリーダーへの一歩を踏み出すきっかけを提供することを目的としたもの。費用やノウハウがなく、研究するためのサポートが必要な中高生である研究者の卵たちが、この賞をきっかけに研究をスタートさせ、科学技術の発展を牽引してくれることを願って実施されている。
 
「アサヒ飲料賞」は、アサヒ飲料が掲げた募集テーマに沿った研究テーマに対し、応援する助成プログラム。今回、「『健康』『環境』『地域共創』などの社会課題に役立ち、未来のワクワクや笑顔を生み出す研究や開発」をテーマに全国の中高生から募った結果、31件の応募があった。
 
採択した5チームには、研究費用として資金を助成するだけでなく、アサヒ飲料社の研究員が主催者であるリバネス社スタッフと一緒に、アドバイザーとして各チームに1名ずつ付くことで、研究の進め方などの相談を受け付けた。
 
審査の結果、最優秀賞には愛媛大学附属高等学校、優秀賞には福島県立安積高等学校、審査員特別賞には、洗足学園中学高等学校が選ばれた。
 
最優秀賞の愛媛大学付属高校の研究テーマは、「海洋性細菌による生分解性プラスチックの生産」。選定理由は、「世界的に大きな問題になっている海洋性プラスチックについて挑戦したこと、また愛媛に居ながら天日塩を用い、世界中から細菌を見つけてくるという着眼点が素晴らしい。コロナ禍でフィールドワークも限られた中、活用できる分析手法を最大限利用して活動・検証をしてきたことが見受けられた」と評された。
 

最優秀賞の愛媛大学附属高校

最優秀賞の愛媛大学附属高校

 
優秀賞の福島県立安積高校は「天然酵母の探査」がテーマ。選定理由は、「世の中の何を解決したいのか、という事が明確であったこと。地元福島の風評被害を自分たちで何か貢献したいという気持ちが伝わってきた。校内のソメイヨシノから単離した酵母で地元の新しい社会の価値を創造しながら、経済に繋がる可能性の高い研究活動であった点」という。
 
審査員特別賞は、洗足学園中学高等学校の「ピーマンの苦味成分の調和及び美味しく食べるための研究」。選ばれた理由は、「研究対象への愛溢れる研究発表だったこと、コロナ禍にもかかわらず、保護者など対象に157名の意見を収集し、成果に繋げた点。お互いの得意なことを活かし合いながら研究を進めていただいた様子がうかがえたこと」とされた。
 
アサヒ飲料は、今回の取り組みについて、「中高生が、これを機に研究や社会課題などに興味を持ち、将来、果敢に課題に挑戦する研究者になることを応援しています。今後も、社会との共有価値(Creating Shared Value)を生み出すため、『健康』『環境』『地域共創』への取り組みを進め、ビジョンの実現を目指します」としている。

アサヒ飲料賞 採択チームの5校
学校名 研究テーマ
山形県立村山産業高等学校 ソバにおける植物共生微生物の活用に関する研究
福島県立福島高等学校 バクテリアセルロースを用いたストローの開発と評価
福島県立安積高等学校 天然酵母の探査
洗足学園中学高等学校 ピーマンの苦味成分の調和及び美味しく食べるための研究
愛媛大学附属高等学校 海洋性細菌による生分解性プラスチックの生産