伊藤園と富士通は5月10日、AI画像解析により茶葉を摘む摘採(てきさい)時期を、簡便に判断する技術を共同開発したと発表した。

この技術は、誰もが持つスマートフォンで撮影した画像をAI画像分析技術で成分推定し、摘採時期の判断を可能にしたことが特徴。2022年の新茶摘採から、伊藤園が展開する茶産地育成事業の契約産地で試験運用を開始する。

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今回開発した「AI画像解析を活用した茶葉の摘採時期判断技術」は、伊藤園の茶栽培に関する知見と、富士通の画像解析技術およびAIの機械学習を組み合わせて共同開発した画像認識アルゴリズムにより実現した。スマートフォンで撮影した摘採(収穫)前の茶葉の画像をクラウド上でAI解析し、摘採時期の判断指標となるアミノ酸量や繊維量を推定する内容となっている。

スマートフォンの活用により、高価な分析装置を導入しなくても、経験が少ない生産者でも利用しやすいことがポイントだ。茶葉は、摘採する時期が遅れると収穫量が多くなる一方で品質が低下するため、摘採時期の判断は茶農家にとって課題となっていた。

伊藤園と富士通は、次のようにコメントする。「生産者の高齢化や後継者不足の折に、茶農業への新規参入の障壁となる課題を解決し、茶農業の生産力向上と持続性を両立することに寄与したい」。

2022年の試験運用開始以降、画像認識アルゴリズムの正確性や実用性を検証し、2023年の新茶摘採から契約産地で本格展開を目指す。

伊藤園は、摘採時期の判断のIT化に関する技術開発を2004年から取り組んできた。その中でも今回のAI技術は、手軽さもあり産地での本格導入される可能性が高いという。雇用の創出と就農者の若返りに向けて、今後も技術支援による解決を目指すとしている。
AI画像分析技術でお茶摘み時期を判断、伊藤園と富士通が共同で開発、スマホ活用で使いやすく(画像はイメージ)

AI画像分析技術でお茶摘み時期を判断、伊藤園と富士通が共同で開発、スマホ活用で使いやすく(画像はイメージ)