2022年の炭酸飲料は、人流の増加で需要が高まることが予想され、各社とも積極的に新製品を投入している。ブランド初の試みやお菓子とのコラボ、さらには“からあげ専用”までユニークな製品が多い。最需要期の夏場に向けて炭酸飲料のニュースが増えている。

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外出自粛などのあった約2年間、炭酸飲料は生活者のリフレッシュニーズの高まりもあり、清涼飲料の中では比較的好調な販売を続けた。昨年の販売実績は、数量で前年比101.3%、金額で104.9%の伸長となった(全国清涼飲料連合会調べ)。コロナ禍では、在宅需要の高まりから大容量サイズや無糖炭酸水の人気が高まった。また、買い物時間短縮の影響から安心して購入できるメジャーブランドの定番品が支持され、発売から130年を超える「三ツ矢サイダー」(アサヒ飲料)は、過去最高の売り上げになっている。
炭酸飲料の生産量推移(全国清涼飲料連合会調べ)

炭酸飲料の生産量推移(全国清涼飲料連合会調べ)

 
だが、今年は人流が戻ってきたため、各社が小型サイズの炭酸新製品を積極的に発売し、ユーザーを拡大する活動を強化している。特徴は、従来以上に各社がユニークな製品を展開していることだ。一般受けする誰もが好きそうな製品ではなく、キャンディの「チュッパチャプス」とのコラボ製品「がぶ飲み チュッパチャプス ストロベリークリームソーダ」(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)など、誰かに語りたくなるような話題化を期待できるコンセプトの製品が開発されている。また、“ブランド初”のチャレンジを行う企業もある。

炭酸飲料の1世帯当たり年間支出金額〈二人以上の世帯〉(総務省統計局・家計調査)

炭酸飲料の1世帯当たり年間支出金額〈二人以上の世帯〉(総務省統計局・家計調査)

 
ユニークな製品が増えている背景について、アサヒ飲料の担当者は、「(有糖炭酸の飲用シーンだった)若者が集まってお菓子を食べながらゲームをするといった、人が集う機会が減ってきている。これからは、個人それぞれに合った価値を探して提供する必要がある」とする。
 
個性的な新製品が多いのは、ユーザーに選んでもらう受け身の姿勢でなく、生活者の変化に合わせた提案で、炭酸ユーザーを広げる戦略の表れといえる。特に、話題を集めているのはコーラカテゴリーだ。
 
最大手のコカ・コーラシステムは、6月に「コカ・コーラ ゼロ」ブランド初のフレーバー製品として、「コカ・コーラ ゼロレモンシュガー」を期間限定で発売している。昨年は仕事中のリフレッシュ需要を取り込んで、「コカ・コーラ ゼロ」が売上を伸ばした。同社初のカロリーゼロのフレーバー製品を展開することで、大人世代にいっそう注目してもらう考えだ。
 
サントリー食品インターナショナルは、「ペプシからあげ専用」を発売して話題になっている。同社担当者は「スーパーの惣菜ランキングでからあげが1位となっていること、そしてコーラと一緒によく併買されていることがわかった。この相性の良さに注目し、からあげ専用コーラの開発に至ったが、ペプシらしいインパクトのある商品であることを、ダイレクトに分かりやすく伝え、更なるトライアル拡大を期待し、“ペプシからあげ専用”という商品名にした」とする。
 
アサヒ飲料は、1月発売の「三ツ矢 クラフトコーラ」が好調な販売を続ける。男性比率の高いコーラカテゴリーに、男女比率が同程度の「三ツ矢」ブランドで参入したところ、“自分向けのコーラが出た”と認識した人が増えたという。
 
コーラ以外の炭酸新製品では、期間限定品でユニークなチャレンジもある。特に、ポッカサッポロフード&ビバレッジの「がぶ飲み チュッパチャプス ストロベリークリームソーダ」が秀逸だ。チュッパチャプスらしさを追求し、パッケージだけでなく中味の再現度が高い。
 
大塚食品のビタミン炭酸「マッチ」は、3月に新製品の「マッチ マスカット」を発売した。1日分のビタミン(ビタミンB6、ナイアシン、ビタミンC)とミネラル(ナトリウム)のほか、GABAやクエン酸などの成分を入れている。「マッチ」本体は、高校生をメインターゲットにしている。だが、発売当初高校生だったユーザーが大人になり、主要購買層は大人のため、今年からは20-30代の大人をターゲットにした新製品にも取り組む。仕事時のリフレッシュ需要に応えて、ユーザーを広げるねらいだ。