本紙は総務省がこのほど発表した16年12月の家計消費支出をもとに16年の全世帯(全国2人以上の世帯)の食料消費動向をまとめた。食料支出額は94万76172円で前年比1・1%増と5年連続の増加となった。消費支出は可処分所得の伸び悩みと節約志向を背景に6万2226円(1・8%)減少して338万6256円となったことから、食料比率は28・0%に上昇した。また初めて世帯人員が3人を割った。

昨年の消費支出額は、一部輸出産業の好況感とはうらはらに338万6256円で15年に続き、2年連続の減少となった。しかも減少額は6万2226円(1・8%)と15年の4万円余より大きい。2年間で10万円以上減少した。国内消費の冷え込みは速度を増している感がある。

支出額は90年代前半が400万円台、00年代前半が380万円台、00年代後半でも350万円台だったが、10年代に入り340万円台に低下した。そして16年は340万円を切った。この間の国内経済の停滞とデフレ、さらに実質所得の減少をくっきりと示している。

16年の食料支出額は94万7617円で1・1%の増加。11年を底に5年連続の増加となった。消費支出に対する食料支出の比率は0・8ポイント上昇の28・0%となった。

食料比率は90年代初めは27%を超えていたがその後徐々に低下、00年代は05年の25・0%を底に13年まで25%台だったが、14年に26%台となり、3年連続の上昇で16年は28%に達した。16年は秋口を中心に野菜高が目立ったが食料比率だけから見ると、80年代後半のレベルとなった。

簡便調理食品やプレミアム食品など加工度の高い食品が普及しており、食生活水準を当時(消費税導入前)と比べるべくもないが、その一方で所得の減少・伸び悩みとなっている家庭では、必需品の食料支出を確保、他を切り詰めている姿が浮き上がってくる。

世帯人数は2・99人で初めて3人を割った。15年比でわずか0・03人の減少だが、やはり3人割れは少人数世帯の増加を示すうえで象徴的な数字だ。なお1人当たりの食料支出は1・9%増。

分野別の支出額の推移を表1に示した。目立つのが卵乳類と調理食品の増加だ。卵乳類ではヨーグルトが11%増のほか、卵、チーズも3~5%伸びた。調理食品は簡便化などのニーズが堅調で5%増。飲料は西日本の猛暑で増加。相場高だった野菜は節約からか数量が減少し、消費額は1・5%増にとどまった。魚介類の減少は例年のことながら魚離れが継続。酒類、外食もわずかながら減少。削れるところを削った感がある。

図1に内食系(素材、油脂・調味料)、中食(弁当、惣菜等)、嗜好品(果物、菓子、酒類、飲料など)、外食の分野別に比率を示した。内食系は43・1%で前年比0・4ポイント下降した。青果の相場高だったが、穀類の伸びはわずかで内食回帰からは遠ざかった。

中食系は14・2%と0・4P増加し、本紙が調査を開始した2000年以降、初めて14%台となった。節約志向の中でも簡便な調理食品(冷食、惣菜、弁当類)が増加した。代わって減少したのが外食。0・4P低下した。嗜好品は飲料、ヨーグルトなどの増加でやや上昇。酒類のみ減少した。