◎円高で減収も利益面は好調

主要食品メーカーの2017年3月期(16年度)決算が出揃った。今期は円高の影響が色濃く出ており、海外シフトが進んだ大手で減収が目立ったことから全社の単純な売上げ合計は16兆8768億円となり、前年比はわずか0・5%増にとどまった。しかし営業利益は原燃料安が追い風となり増益は好決算だった前年に匹敵する71社で、対売上高営業利益率は本紙が連結を中心にまとめた05年3月期以降、初めて5%を超えた。全社の決算概要一覧は8面。

 本紙は上場企業のうち17年3月期決算(一部1月及び2月期)の企業の決算を集計した(連結82社、非連結14社、合計96社)。

16年度決算をみると、増収企業は15年度の84社を24社下回る60社にとどまった。連結ベース(非連結含む)の合計売上高は16兆8768億円。前年比較ができる企業だけでは0・5%増。単純に合計したため、海外部門や食品以外の分野が含まれるし、一部連結子会社の2重カウントがある。

この0・5%増は、過去3年続いた4~5%台の伸びから一転して低い伸びであり、製品値上げで多くのメーカーが売り上げを落とした10年3月期の4・5%減を除けば05年3月期以降、最も小さい伸び率となった。

この要因は円高(期中平均では1$=約109円、前年度は同120円)により海外売上の円貨換算が低くでたことがあげられる。特に味の素、日本水産、日清製粉グループ本社、キッコーマンなど上位の海外比率の高い企業が減収となった。ただし、海外の現地通貨ベースでは好調な企業が多い。

別表に全社の決算概要を示した。上位企業では国内比率の高い乳業、畜産などは増収が目立つ。また海外比率が比較的低い21位以下の企業の売上合計は前年比3・5%増であることから、国内売上は堅調に推移したと思われる。ちなみに上位20社の売上合計は前年比0・8%減だった。

一方、利益面は前年度に続き非常に好調だった。表に営業利益の推移を示したが増益企業は71社(前年度73社)、減益企業は21社(同24社)、赤字3社(同2社)。前年度は売上増が大きく貢献したが、16年度は売上は伸び悩やんだが、引続き燃料価格及び穀物等の国際価格の安定に加え、約1割の円高による輸入価格の値下がりが大きかった。また近年のデフレ下の中でも価格志向にとらわれない製品開発や販売施策の展開による利益確保策も奏功したようだ。

また食品メーカー全体の対売上営業利益率を計算すると5・11%となる。前年度の4・48%を0・63ポイント上回った。04年度以降、初めて5%を超えた。

18年3月期売上予想の総額は4・2%増。17年実績からかなり増加するが、国内の堅調な需要と為替の影響が少なくなり、円貨換算の海外売上が回復するとみている。

業種別に簡単に見ていく。製油関連7社の売上合計は前年比0・2%減だが営業利益は全社2ケタ以上の増加。製粉・小麦粉製品関連も売上は0・9%減ながら営業増益が目立つ。両業界とも輸入原料安がプラスした。畜産関連の売上は最大手が減収だったが、営業利益は好調。営業利益率の平均は3・45%まで上昇した。調味料関連の売上は最大手の味の素やキッコーマンなど上位が減収のため業種平均では2・1%減。しかし営業利益率の平均は7・02%と高い。チョコレートが好調な菓子は全社増収、営業利益も1社を除き増益。営業利益率の平均は7・58%と業種別では最も高い。