「美しい国から」プロジェクトを始めるきっかけは、同社佐藤健社長が訪れた北海道オホーツクで出会ったアスパラガスだった。

美しく壮大な大地で育った立派なアスパラガスは、1本70g以上もある極太のアスパラガス。食べてみると艶やかでハリのある見た目とは裏腹に、その甘さと柔らかさに驚いた。生産農家は「極太アスパラガスは収穫始めの時期にだけ、出てくる希少なもの」と言う。

しかし、その大きさ故に流通規格に合わず、地元で消費されるだけと聞いて、価値ある希少なものが地域に埋もれている、ともったいなさを感じたのがスタートだった。

同社は、これまでもコスト重視の大量生産ではなく、正しく作られた生産物をその価値を理解してくださるお客様に届けてきた。そんな強み、ネットワークを日本の美しい地域を応援することにも生かせるのではとの思いから始まった試みだ。

同プロジェクトを通じて、こだわりをしっかりと理解し紹介することで生産者・地域が活性化し、美しい地域を守る役割を担え、お客様にも今まで知らなかった美味しさに出会うことで喜びを感じられる。そして同社も同社ならではの商品をお届けすることができる。三者がうれしい仕組みを作れ、日本の貴重な美しい風景を守ることにもつながる。同プロジェクトを同社が「私たちの使命」と考える理由がそこにある。
シュガーレディ本社 商品開発部課長・関口貴士氏(左)と商品開発部主任・釜智史氏(右)

シュガーレディ本社 商品開発部課長・関口貴士氏(左)と商品開発部主任・釜智史氏(右)

【地方の魅力的な商品の創出に努力】

〈シュガーレディ本社 商品開発部課長・関口貴士氏〉 水産品の開発担当者として、今回のプロジェクト始動に当たり、「美しい環境」「美しい食」「美しい心意気」の3つの柱に合致する商品を選定したが、その取引先の存在が既にあって心強く感じた。

オホーツクの水産資源は水揚げ量があり、相場で取引される中、希少性や高付加価値品として世に送り出すことに苦労した。

「帆立貝柱」を例にとると、プロジェクト商品とするため、鉄板焼きの甘い帆立貝柱を家庭で再現しようと加熱した時、縮みにくい大粒の貝柱にこだわり、オホーツク北部の「猿払産の帆立貝柱のLサイズ」にした。刺身もひと手間かける「帆立貝柱の昆布〆」レシピを考案、北海道産の稀少な昆布種を刻み、旨味のプラスした美味しい「帆立貝柱の昆布〆」を完成させた。

生産者の良いものを送り出したくともできない悩みを共に考えアイデアを出し合うと、一層魅力的な商品が生まれることを体感した。今後も心意気ある生産者と共に、お客さまに満足される商品づくりにまい進したい。

 

〈シュガーレディ本社 商品開発部主任・釜智史氏〉 農産品担当者として、オホーツク管区にこれほどこだわりを持って栽培されている生産者が多くいることに驚きを覚えた。何度も現地に飛び生産者を訪ねたが、初めて訪問した2016年1月は大雪で、厳しい自然と温かい方々との出会いが印象的だった。

商品作りは1年をかけて、生産者と地域協力工場と試行錯誤した。例えば、美幌町のじゃがいも「キタアカリ」を使った商品開発では、旬のそれを旨みが出るまで糖化させた原料を皮むきし、蒸して粗く潰したが、キタアカリのホクホクした肉質感を保つように蒸し、粗く潰す、納得いくまで調整し最大限に美味しさを引き出したものの、今度はその商品規格で苦労した。

小売用の規格を作った経験のない現地工場者に、便利さ使いやすさを理解してもらい、500g規格にして凍結する方法にした。こうして現地の理解と協力を得て付加価値ある商品を創った。生産者・現地協力者とより良い商品作りに理解を深め、共通の価値観で商品開発に取り組み、お客さまの満足する商品を提供し、地域応援につなげていきたい。

〈食品産業新聞2017年12月4日付より〉