日本給食サービス協会は去る2月20日、第40回フード・ケータリングショーの一環として、協会主催セミナー「~安全・安心に取り組んでおります~健康な食事・食環境『スマートミール』への取り組み」を開催、給食企業3社がスマートミール認証の導入事例を紹介した。

〈関連記事〉第40回フード・ケータリングショーで給食企業の「スマートミール」認証事例を紹介/日本給食サービス協会=https://www.ssnp.co.jp/news/feeding/2019/06/2019-0624-1115-14.html

以下、馬渕商事の事例紹介。

当社は東京・大阪の受託事業所でそれぞれ星2つの認証を取得した。対応のしやすさを考慮し、東京本社と大阪支店から近い距離にある社員食堂で実施。2種類の基準のうち、食塩相当量やメニューの幅を考慮して「しっかり」の基準で取得を目指した。
スマートミール1食当たりの提供エネルギーと栄養=450~650kcalの「ちゃんと」(デスクワークなどの人向け)と、650~850kcalの「しっかり」(エネルギー消費量の多い人向け)の2段階があり、それぞれ主食、主菜、食塩相当量を規定している。

スマートミール1食当たりの提供エネルギーと栄養=450~650kcalの「ちゃんと」(デスクワークなどの人向け)と、650~850kcalの「しっかり」(エネルギー消費量の多い人向け)の2段階があり、それぞれ主食、主菜、食塩相当量を規定している。

スマートミール認証基準

〈オプション項目をクリアするための改善点〉
認証基準のオプション項目は、東京では10,11、13、20、22、23の6項目を、大阪では10、11、13、17、19、20、24の7項目をクリアした。
 
オプションをクリアするため実施した点をいくつか紹介する。1つ目は献立表の変更である。東京では、これまでA・B定食ともにエネルギー量と食塩相当量のみを掲示していたが、スマートミールには、たんぱく質、脂質、炭水化物、野菜量を追加した。また、健康な食事・食環境推進事務局からの指摘を受けて、魚メニューには、色を付けて分かりやすさに努めた。大阪ではスマートミールの該当メニューにマークを付けることにより一目で分かるよう工夫。メニュー表の下欄に、スマートミールの説明書きを加えた。2つ目は、啓発POP の充実である。スマートミールの理解を深めてもらうため、食堂内にPOP を掲示するとともに、「野菜を食べよう」など健康増進に関するポスターも掲げた。3つ目は、卓上調味料の集約(東京)、減塩味噌汁専用機の設置(大阪)など減塩への取り組みである。
 
〈認証取得後の献立作成の工夫や苦労〉
東京では、▼エネルギー量のアップ▼減塩▼野菜量▼ PFCバランス――が課題だった。週3日以上魚メニューを提供する上でお客様を飽きさせないよう様々な魚種を使用するよう心掛けた。しかし、白身魚を使うと脂質量が少なくなってしまう。また焼き魚にすると野菜量を確保するのが難しくなるなどの問題があった。そのため、白身魚は唐揚げにするとともに、付け合わせで揚げ野菜やイモ類を使うなど、脂質量やエネルギー量を増やしてPFC バランスを保つよう工夫した。焼き魚も大根おろしの他にゆで野菜を加え、野菜量を確保するよう努めた。
 
減塩については、下味をつけず、薄味でもとろみがあるソースやあんをかけることで味を強く感じられるよう工夫した。
 
大阪では、▼メニューの選択▼減塩▼野菜量▼PFC バランス――が課題だった。提供は、カフェテリア方式のため、小鉢を限定できず栄養管理が難しい。そのため、食堂専属の栄養士が食堂の入り口におすすめ小鉢を提示している。
 
減塩については、だしを利かせることにより、できる限り調味料を減らすよう工夫。野菜量は140g以上の基準を満たせるように、副菜や付け合わせ、主菜でも野菜を取り入れ、多く摂取できるように努めた。献立はPFC バランスが満たされているか、常に意識しながら作成。脂質量のコントロールに毎回苦戦するが、バラエティに富んだメニューになるように工夫している。
 
〈スマートミール導入後の変化〉
スマートミールを導入しても、東京は残念ながら食数の変化はみられなかったが、人気のない魚メニューを増やしても、お客様が食堂から遠のくことはなかった。お客様に人気の高いメニューとして魚介類のフライやチャーハン、パスタなどがあり、食べやすさや調理の工夫次第で、スマートミールの食数も増えると考察する。
 
大阪では醤油さしを、従来容器からプッシュ式容器に変更し、食塩に関しては、各テーブルの設置から一箇所への集約に変更した。お客様への減塩の意識付けが成功しつつある。