日清医療食品は心臓の専門病院である榊原記念病院(東京都府中市、307床)と共同で、ウェブページ『心臓手術後や高齢者心臓病の方の安全な食生活を考える』を7月15日に開設した。

レシピ動画や講演動画を通して、高齢者や心臓手術後の方が心臓によい食事について考え、安全に必要な栄養素を摂るための情報を届ける。レシピ動画では、コンビニで入手できる総菜を使って、飲み込みやすく加工する調理法を紹介。また、術後に低下の恐れがある「飲み込む力」を維持するための体操のやり方も動画で紹介している。

両者のコラボ企画は、2020年2月の「心臓を守る健康レシピ」イベント、2021年3月の「心臓病を持つお子さんの“医”と“食育”」ウェブページ開設に続く3回目。

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日本では高齢者人口が急増しており、高齢の方が心臓の手術を受ける機会も増えている。また、高齢でなくても、手術後は「飲み込む力」が弱くなる場合があり、食事の摂取不良から栄養状態が悪化し、さらに飲み込む力が低下する、といった悪循環に陥ることもある。そうした飲み込む力の衰えは口から胃に食べ物を送りこむ(嚥下)能力の障害を引き起こし、食物が誤って気管に入る誤嚥や誤嚥性肺炎につながる可能性もある。

そのため、日本で最も心臓病手術件数が多い循環器専門病院である榊原記念病院は、「心臓手術後の栄養管理は治療が長引くことを防ぐだけでなく、退院後の生活を良好に過ごすためとても重要」として、「心臓手術後こそ食生活をしっかり見直し、合併症や再入院を防がなければならない」と提案する。

榊原記念病院には食事に関する専門の医療チームがあり、手術後に患者の食欲が低下してしまったときには、効率的に栄養を摂取してもらうための食事を提案しているという。その経験を活かし、日清医療食品と協力してウェブページを開設して、心臓病に悩む方の課題解消に挑む。

講演動画では、手術前後に気をつけることや美味しく食べるための口腔ケア、飲み込みのメカニズムについて、榊原記念病院の医師や看護師、言語聴覚士が解説。ウェブページのタイトルになっている動画「心臓手術後や高齢者心臓病の方の安全な食生活を考える」では、管理栄養士の生島まほろさんが、栄養バランスの良い食事の考え方や薄味調理のコツとともに、高齢等で食事が飲み込みにくいときの食事の工夫方法を紹介している。

生島さんは「かたいもの、弾力のあるもの、さらさらした液体、口やのどにはりつくものは飲み込みにくい。それらの食材は飲み込みやすくする工夫を施すことで誤嚥を予防できる」と述べて、片栗粉を使ってあんを作り、食材を口腔内でまとまりやすくすることや、パサつくパンはポタージュに浸して水分を補うなど工夫点を紹介した。

レシピ動画では、コンビニやスーパーで入手できる総菜の「ハンバーグ」や「さばのみそ煮」に、ゼラチンや寒天、とろみ剤の「スベラカーゼ」を用いて作る嚥下食を紹介している。チルドの総菜品を使用することで調理の手間を軽減しており、視聴時間は約1分程度と簡潔にまとめている。

榊原記念病院の広報担当者は「高齢者や、これから心臓病の手術を受ける方は、良好な栄養状態を保っておくことが重要である。循環器専門病院である当院は、心臓の健康を保つために、このことを広く知っていただきたいと考え、心臓のための正しい食事と栄養の取り方の考え方の普及に努めている。それがひいては国が取り組む健康寿命の延伸や持続可能な開発目標(SDGs)の実現に貢献できると信じている」と語った。

日清医療食品と榊原記念病院は今後も、コンテンツを継続的に増やしていく予定だ。

◆「心臓手術後や高齢者心臓病の方の安全な食生活を考える」ウェブページ