外食12月期中間決算、7社が増収増益を確保

本紙は上場外食企業の2016年12月期第2四半期決算と16年5・6月期決算概況をまとめた。第2四半期では12 社中7社(前期は11社中7社)が増収、営業増益を達成した。年明け以降の株価急落や円高への推移など消費者マインドの落ち込みが懸念される中、各社は好決算を維持した。競合他社のみならず他業種との顧客獲得競争が激化、原材料の高止まりや労働単価の上昇など、引き続き厳しい経営環境が続いており、各社一層のコスト削減に努めた。

トップのすかいらーくは外部環境が厳しい中、増収増益を達成した。主力のファミリーレストラン(FR)「ガスト」を含めた全業態トータルの既存店売上高は0・9%減と前年同期を下回るも、積極的な新規出店(23店)がマイナス分を一部カバーした。また円高影響もあり、引き続き高水準の粗利率70・2%を確保。食材価格の低下と内製化を進めたことで粗利率は前年同期より0・5%改善した。

同じくFR「ロイヤルホスト」を主力に展開するロイヤルホールディングスは、外食事業の減収が響き、増収減益で着地した。客単価は増加も客数減となった「ロイヤルホスト」の既存店売上高は1・8%減となり、天丼の「てんや」は好調も、外食事業の減益につながった。

続くFRのジョイフルは創立40周年を記念した復刻メニューやモーニング限定メニューの全時間帯提供など新たな取り組みが奏功。既存店売上高も0・7%増と前年を上回り、増収増益に寄与した。

一方、前年同期は営業損失183億円の大幅赤字を計上した日本マクドナルドホールディングスは、今期は黒字転換を実現。14年の中国産鶏肉問題発生以降、既存店売上高の落ち込みが継続していたが、15年より実施するビジネスリカバリープランの進捗により売上高、利益が大幅に改善した。特大の「グランドビックマック」など期間限定メニューや参加型プロモーションが支持を集め、黒字転換に貢献した。

その他好調だったのは、フジオフードシステム、アークランドサービス、ペッパーフードサービスなど。フジオフードサービスは、主力「まいどおおきに食堂」の商品力強化、販促企画キャンペーンの実施、店舗改装が奏功し既存店の業績が改善。アークランドサービスは、積極的なフェアメニューの投入で引き続きカツ丼「かつや」が好調で、好業績をけん引した。一方、ペッパーフードサービスは出店計画が順調に推移するなど売上高、利益ともに2ケタ台の伸びを記録。100店舗の出店を達成した「いきなり!ステーキ」事業は、売上高が101・5%増、営業利益は110・7%増となった。