〈労働需給がひっ迫、原材料価格は高止まり〉
外食企業66社の17年度上期決算が公表された。増収営業増益企業は22社で、労働需給のひっ迫で人件費は高騰、原材料価格の高止まりや物流費の上昇、コンビニに代表される異業種との競合の激化が各社収益の減少に響いた。食材価格ではコメや鮮魚が高騰し、セーフガード(緊急輸入制限)が発動されたことで下期は、牛肉価格の高騰を懸念する。

本紙は上場外食企業66社の2018年3月期第2四半期決算(2月期第2四半期決算含む)をまとめた。外食以外を主力に展開する企業もあるが、連結ベースで単純に比較すると、増収は66社中40社(前年は62社中34社)だった。

営業利益は増益27社、黒字転換7社、減益21社、赤字10社。前年同期は増益22社、黒字転換2社、減益27社、赤字11社だった。成長戦略としてM&Aを掲げ、期中に同業他社を買収したトリドールホールディングス(以下、HD)、DDHDなどは、収益ともに大きく拡大した。

トップのゼンショーHDは売上高が前年同期比8.3%増の2910億円と過去最高を更新。営業利益は、人件費の高騰や、コメや海鮮物の価格など原材料の価格高騰が影響し、5.9%減の100億円だった。同社は11月8日の決算発表の席上で、人件費と原材料の高騰を背景に、牛丼「すき家」やファミリーレストラン「ココス」で価格改定の実施予定を発表。22日には、「すき家」で並盛以外の中盛や大盛の値上げを発表した。

続くコロワイドは増収減益で着地した。「(「かっぱ寿司」を展開する)カッパ・クリエイトの回復のスピードが想定以上に遅れてしまったこと、食材価格の高騰への対応に甘さがあったことなどが主要因」(野尻公平社長)とし下期は、食べ放題などの施策によりカッパ・クリエイトの早期再生に努めていく。

トリドールHDの主要業態であるうどんチェーン「丸亀製麺」の既存店売上高は、6.0%増で着地。10月も含めれば38カ月連続での前年越えを達成し、客数、客単価ともに前年を上回った。「旨辛肉つけうどん」と「こく旨豚しゃぶしゃぶ」など高単価フェア商品と併売商品の販売により客単価が引き上げられたことが奏功した。出退店はM&Aにより「晩杯屋」(36店舗)を運営するアクティブソースを買収したことで、純増63店舗となった。テレビCMを積極的に投下したことも「丸亀製麺」の既存店の拡大に貢献し、下期は広告宣伝費を上期より抑えることで利益寄与を目指すという。

経常損益で4期ぶりに上期黒字化を達成できたワタミは、徐々に回復の兆しが見えてきた。既存店売上高が前年同期比7・2%増となるなど国内外食事業の大幅な持ち直しが、損益改善に大きく寄与した。「和民」「わたみん家」の不採算店舗を、銘柄鶏をメーンとする「ミライザカ」「三代目鳥メロ」といった専門性のある業態へと転換を進めたことで、全体の既存店売上高の大幅な回復に繋がった。

6月にピザハット事業を売却した日本KFCHDは、減収減益で着地。KFC事業の人件費高騰、ピザハット事業の株式譲渡に係る特別損失の計上などにより、売上高、営業・経常利益は減少、純利益は増加した。

リンガーハットは売上高が前期比6.6%増の228億円で5期連続の増収となった。営業利益、経常利益も前年を上回り、既存店売上高はちゃんぽんの「リンガーハット」が2.7%増、とんかつの「濵かつ」が3.0%とともに前年を上回った。

M&Aにより148店舗が傘下に加わったDDHDは売上高、利益ともに大きく拡大。6月より、ダイニングレストラン、カフェなどを展開するゼットンと商業藝術が連結対象になり、売上高は過去最高、純利益は前年同期から約3倍に上振れした。事業会社ダイヤモンドダイニングの既存店売上高も2.3%増と好調に推移したことも売上高の拡大につながった。

ラーメンチェーンでは、ハイディ日高がちょい飲み需要、食事需要を掴み既存店売上高が2.0%増となり好調に推移した一方、幸楽苑ホールディングスは2.0%減と苦戦した。同社は、経営資源の効率化および収益性の向上を図るべく、今後の長期的な成長が見込めない52店舗の閉鎖を決定している。

〈食品産業新聞2017年11月27日付より〉